神楽坂で居酒屋女将!つれづれ日誌

神楽坂・本多横町で50年続く、いざかや「甲州屋」。つたないながらも、お客さんに愛されるお店づくりに奮闘中です。

春の山梨 '14 その2

2014-03-18 11:59:44 | 山梨へGO!
昨日は風が強かったですね。春一番でしょうか?
そういえば春一番って元々は「強風に気をつけろ!」という注意喚起な意味らしいですよ。

さて、ワインゼミナールの続きです。

第一部/テーマ「国内主要産地の動静」で2000年以降、北海道や長野に新規ワイナリーが増えてきて、山梨ではちょっと減っている。という報告がありました。
そして第二部/テーマ「日本ワインの原産地表示を国際視点から考える」


講師の方々は
蛯原健介氏(明治学院大学法学部教授・EU、ワイン法専門)
鹿取みゆき氏(フード&ワインジャーナリスト)
石原久誠氏(甲州市役所/甲州市原産地呼称ワイン認証制度事務局担当)
松本信彦氏(マンズワイン(株)常任顧問、山梨県ワイン酒造組合総務部長)

お話はEUのワイン法と日本の酒造法との違いや、甲州市が上辺だけでない真の意味で「原産地呼称ワイン認証制度」を目指しているモチベーションを感じました。


日本ワインが注目を浴びるようになってきたのは事実ですが、売れるかも?と思うとやたらめったら生産量を増やそうとする人たちが増えるかもしれない。。。

「良いワインは良いブドウから」を信条とするワイナリーがいる一方で、海外の濃縮ブドウジュースでワインを作って「日本のワインです!」って売れちゃったら、地道に農業してる人たちはすぐに破産してしまいます。

「日本のワインはうまいらしい?!」と聞き耳した人がラベルに「日本のワイン」と書かれたボトルを手にして
「日本ワイン=日本の中で育ったブドウで作ったワイン」と思って買ったのに、実は(海外濃縮ブドウジュースを輸入して日本で醸造したワイン)だった!としたら。どうしますか?

安くて美味かったら良いじゃん!と思う人と、騙された!嘘つき!!と思う人と、両方いるでしょう。
でも、誰かが「騙された!」と思う商品はこれからの時代、認めてはいけないと思います。


以前に「牛肉100%」と表示した商品で実は「馬・豚・牛の合い挽き肉」だった会社の社長が逮捕された事件。
社長は「価格を抑えるために必要だった。みんな美味いと言ってくれていた」とコメントしていました。
中国産うなぎを国産うなぎと表示して売っていた会社も、捕まりました。

表示を信じて、内容を理解しての「美味い」ことが必要です。
中国産うなぎだって美味しいし、安くて手軽。分かってる。
でも日本産って書いて売られたら価格が崩れてしまう。
本当にちゃんと日本で育ててるうなぎ産業がつぶれてしまいますよ。


まじめに頑張っている人たちが、倒産してしまうのはおかしいでしょう???


それをワインで考える。
それがワイン法の制定だったり、原産地呼称認証制度だったりするのではないか?
と、ワタシは思いました。


江戸時代、お米がとれない土地だった山梨。日本酒も貴重なものだったでしょう。
明治になって、俺たちのブドウからお酒が造れる!って喜びは相当なものだったと思います。

おらが酒、葡萄酒

その喜びの酒が、時代を経て、世界に出て行こうとしている。

どうか、正しい形で堂々と日本のマーケットに存在できるように。
100年先の世界のマーケットに日本のワインが選ばれていますように。


そんな気持ちを改めて持たせていただく、時間をいただきました。

続きます

コメント
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