おっさん先生と愉快な仲間のぶろぐ

先生って楽しい仕事だと思い続けることができたしあわせな爺っさまのつぶやきです。

老人とスマホ

2022-05-05 10:31:50 | Weblog
 最近、スマホが普及することで「清濁混みの情報」に翻弄される同年輩の友人からのメールがよく届きます。
 
 子どもたちには、情報モラル教育が始まりましたが、昭和の60歳台の世代はようやくスマホの操作になれ「情報の洪水」に見舞われているようです。

 友人は、かつて「団塊の世代」といわれた人たちの少し下、エネルギッシュな団塊の世代を少し後ろから眺めていた戦争を知らない世代です。

 子育てを終え、関心が教育から政治に移ったのかやれ、ウクライナとロシアの戦争や日本の政治のことを聞いてきます。

 それも、真面目だから、YouTubeの意見を丸飲みにしたり、フェイクニースで憤慨したり何だか「危ないのです」

 この間も送られてきたのは、「ウクライナ」の真実情報でした。
 
 アゾフの人たちが使うこの紋章がナチの「ハーケンクロイツ」カギ十字に似ているから、「ネオナチ」といわれているのかもしれませんが、「国粋主義者」を「ネオナチ」ということには少し違和感があります。

 日本の「一部の人たち」を外国の人が「ネオナチ」と言っている感覚ですか。と答えました。

 もうひとつは「どっちが勝つのか、どっちが正しいのか」という「傍観者としての興味をベースにした議論」(僕の苦手なやつです)

 敗戦直前の日本に攻めてきたソ連と日本の関係性みたいなものが、クリミア半島を取られたときのウクライナとロシアの関係性だとおきかえて考えてください、戦後の日本でも自衛隊(保安警察隊)が必要だと思う人たちもたくさんいただろうと思います。

 取り返すために日本は武力を使えなかったのか使わなかったのかはしりませんが、ついこの間までは外交的努力で解決すると信じていたし、そう、僕らも教えていました。
 
 たしか、国際法上まだ、日本とソビエトとは正式に終戦していないことは、高校で教えてもらいましたが、日本の海上自衛隊の旗が「日章旗」と似ているから日本ではナチズムと同じ侵略主義者がいるということを理由に「侵略してもいい」とロシアの指導者が考えるかどうかは僕にはわかりません。

 ただ歴史では、「蝦夷地」にはロシアの船が昔から行って交易をアイヌの人たちとおこなっていたこと、アイヌの人たちを征服しようとして和人が平安時代から「征伐」を行ってきたこと、松前藩が蝦夷地を領有したのは江戸時代だということ、「蝦夷地を北海道」と呼んで確実に明治政府のものにしたのは明治の屯田兵か北海道に移住してからだということは教わった覚えがあります。

 確かに、その事を理由として「難癖」をつけることもロシアにはできますね。

 ただ、何か「旗」とか「領有した時代」とか、シンボルを戦争のきっかけにするのは常套句のように思います。戦争を仕掛ける側は、理由は、なんとでもつけることを何度も見てきた気がします。

 友人が好む「政治的な分析」ではいつも、隠していたことを「嘘」という言葉で表しますが、「嘘を見抜けない国民を作る」のも「政治」だということを「教育」では教えます。

 友人との話をするなかで、正義と教育は意外と相反する部分を持っているのかもしれない、政治と教育は分離すべきではないかというおもいが強くなりました。

 YouTuberの発信する情報はユーザーが多いから必ずしも正しいとは限りません。若者なら知ってるこの道理が友人には理解しにくいようです。

数が多ければ正しいという「いいね」効果にハマルタイプなのです。

 インフルエンサーと呼ばれる人が正しいと思っていることに興味を持つ人がユーザーになるだけで「それを大多数の意見(正論)」としてとらえることの危険性を、ようやく「情報の真偽」として学校でも教えないといけないという議論が日本では始まったところなのではないでしょうか。

 老人(年配者という表現はあまり好きではないです)がデジタルデバイドに陥ると若者との乖離が始まるのではないでしょうか。

 老人にも情報モラル教育が必要な時代になってますね。

 発信している本人がしらない間に「フェイクニース」になることもあるし、「情報操作として意図的にリーク」することもあるはずです。

 友人がウクライナのことで、議論を吹っ掛けてくれたことで、いろいろ考えることがありました。

 このウクライナの問題はある意味で、「国が情報操作することが明らかになった世界での」「はじめての戦争」なのかもしれません。

 「ネットに流れる膨大すぎる情報からどのように真偽を判断するか」という技術が世界から一番遅れている先進国が「情報を作る機械の技術」にスキルの高かった日本なのかもしれないと感じました。

 友人は経済立国日本のを支えた工学系の人間です。

 日本はまだまだ世界と比べて「情報を活用するスキル(リテラシー)」は遅れてるのかもしれません。

 忍者や諜報員という日本語には何か陰で働く人という姑息な負のイメージがあるのかもしれませんね。

 第二次世界大戦では軍隊間の「暗号解読」の技術の差がありましたが、今の時代では世界の国民の「ネットの情報を読み取る能力の差」があるのかも知れませんね。

 それは大国だから進んでいるとはかぎらないようにも思えます。

老人2人が見るネットのせかいでした。



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