デジタル教科書で授業することへの不安ですか。
学校に40台だけ、タブレットをいれてしまったために使わざるを得ないとか、国の方針で使わなくてはならないとかあるようですが、とにかく「使う方向」は見えてきましたね。
何年か前にセンターサーバに小学校全教科書のデジタル教科書を使っていたときの昔話をしてみましょう。
まだ、タブレット端末は予算がなくノートPCへの配置替えを行っていた頃です。
①教師はプロジェクター(電子黒板)と黒板(ホワイトボード)と端末(タブレットまたはPC)の「すみわけ(使い分け)」ができる最低限の指導スキルが必要
②事前にデジタル教科書に付随する指導書にこだわり過ぎると平板な授業にしかならない。指導の流れの中で必要なデジタル特性(色、音、動き)や視覚効果のある動画、資料のあるコンテンツを効果的な場所で提示する「授業構成力」が必要
③タブレット端末の充電担当者、充電場所が必要。PC教室だけでも40台、普通教室で利用するなら毎日充電は必要
④校内インフラ、環境基盤としての全教室高速無線LANの環境と校内セキュリティポリシーの作成
⑤サポート体制としての市町村単位での情報CIOとヘルプデスクの設置
先生のスキルの向上のための研修も「ツール」がなければ、何も進まないのが当然で、デジタル教科書を使って指導したことのある先生が少ない状態なのにタブレットやデジタル教科書ですか。これらを導入するだけで使える環境の学校がどれだけあったかは「オンライン授業」がすぐにやれたか、やれなかったという事実がひとつの基準になりますね。紙媒体以外の教材の配布がせいぜいで、動画教材の配信もできなかったところがあったようです。「授業」ではなく「教材の配信と答え合わせ」が「オンライン授業」という風潮ができてしまったようにも、思います。
情報デバイド、いわゆる「情報格差」でこれは各学校の先生の準備不足というより、それまでに「自治体(都道府県や市町村)」が、どれだけ公立学校の「教育の情報化」に「市町村交付税」から設備のための予算を使ったかということなのです。
金食い虫と自治体の議会で言われ見向きもされなかった「学校の情報化」に国が取り組む方向になったのだから、現場の「教員の資質」「先生のスキル」を問う前に各自治体の議会の「センセイ」たちの意識がかわるといいのですが。
学校にツールさえ入れれば、「授業」が成立するという考えや学校の「先生」が学校の環境整備まで担うという考えは昭和ですよね。なら、これらのことを誰がするのかという議論がまず必要なのですが。
とりあえず、学校の先生たち、今年一年本当にご苦労様でした。来年こそ、新しい時代の教育ができるといいね。