今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

頑張れ、テンちゃん

2017年01月12日 | (故)テン
新しいカテゴリー、「その他ニャンコ・一見さん」を作りました

はい、突然ですがこのようなタイトルになりました。
「テンちゃん」の話をするには、去年の大晦日まで遡ります。
元日と2日は店が休みだったので(自分は昼だけ出ましたが)、戻った時のシャッポやダイフクのことを考えて夜は置き餌をすることにしました。で、正月の朝見ると容器はすっかり空に、それは2日の朝、3日の朝と同様に続いたのですが、店が平常営業になって置き餌も止めました。

しかし何だかダイフクにしてはおかしい。姿は見えずに餌だけなくなる、あの出会う前のシャッポに似た何かがいるのではないか。そう思って再び置き餌をしたのです。そして、たまたま遅くまで残っていたYKさんがついにその正体に遭遇、「慣れているのかあまり逃げない」と写真に納めました。

       新顔の来訪者(YKさん撮影)

この写真を見て直ぐにわかりました。このニャンコは皮膚病か何かの病気持ちだと。それで保護しようと再び置き餌を開始。その翌日のことです、シャッポを探して街を歩いていた夕刻、店から電話で 「例のネコが来てる、何だかすごい状態で人の方に寄って来る」

慌てて店に戻ってそのニャンコを見たときは衝撃でした。
毛があちこち禿げてる、ヒゲも半分ない、目が開いていない、尻尾もちぎれてる、体中に傷があって赤く剥けている。 しかし食べ物を求めて、よちよちではあるが懸命に歩いて人の後を追ってました。

       目が開いてなかった

衝撃はさらに続いた。
手当しようと持ち上げてさらにびっくり。全身がかさぶたのようにゴワゴワでした。特に顔はまるで張り子のように弾力性がない。息もうまくできずに苦しそう。それでも、動いている。懸命に生きようとしている。こんな状態で置き餌を食べに来てたのか・・。 ああ、これがノラの実態なんだ。それは何と言うか、大きな感動でした。そして、絶対にこの子を助けると決意したのです。

その感動は店のスタッフ全員に広がって。
そしてみんなで手当。塞がっていた目は、大量の目やにを時間をかけて拭き取ると奥の方に瞳が見えた。ただ、周りがゴワゴワなのでまぶたが機能しているのかすらわからない。その日は祝日で病院も休み、だからとりあえずできることをしようと。

全員が一生懸命でした。何があるかわからないと制止しても、ついには抱っこまで。抱かれると自分でうまく収まって寝てしまう。 「飼い猫だね、この子」  確かに、脱走したか捨てられたらしい未去勢の男の子でした。

その日、たらふく食べた後は事務所でお泊り。ホッカイロ暖房付の寝床を用意しました。寒い夜空ともお別れだよ。 そのニャンコは店の子なので「テン」(店)と命名。通称テンちゃんです。

       みんなでお手入れ
         抱かれ方を知ってる?
           お泊り用の寝床で

ところが翌日になって大変なことに。
早出組はテンちゃんが爆睡していると思ったらしいのですが、Aiさんが確認してみるとぐったりして動かない。前日は活発に動いていた子が、まるで反応がない。直ちに病院に連れて行ってもらいました。

病院でのとりあえずの診断は極度の脱水症と低体温、そして重度の疥癬。生きてるのが不思議なくらいだと。自分はその時外にいたので、先生には電話で最善を尽くすよう頼みました。そのとき先生が言ったのです。 「経費がかかるけど無駄になる可能性が非常に高い。ノラにそこまでするんですか?」

       病院で応急処置(Aiさん撮影)

自分が病院に着いたのは昼近くで、先生と相談した結果まず本格的な血液検査を行うことに。いずれにしても衰弱が激しいので当面たいした治療もできず、保温と通院点滴で体力回復を図ることにしました。 検査の結果は脱水症を考慮すれば、白血球が異常に高い他は問題なし。FIV(エイズ)が陽性でした。白血球が高いのは状況を考えれば無理もない。FIVに関しては口内炎が少し見られるので発症しているかもしれない。そして、推定年齢は10才かやや上と。(実はこれが一番驚いた。てっきり子猫だと全員で思っていたので。)

       病院から戻ったテン

先生いわく、「今は食べたり飲んだりの体力もない。とにかく保温に努めて」
事務所に戻ったテンちゃんは人の目がもっとも多いテーブルの上に。ぐったりしてまったく動かなかったけど、ウェットティッシュで拭いたり濡らした脱脂綿を口に当てると反応する。そこで思い浮かんだのは、雪山で遭難したとき眠ってはいけない、気をしっかり持つことが生きることに繋がるのだ。 で、交代で水を与え続けました。すると、夕刻になってむっくりと起き上がり、自分でレトルトを食べたのです。

       自分で食べ始めたテン

しかも自分から少し動くようになったテンちゃん。
いやあ、これは嬉しい先生の誤算でした。このとき皆で議論したのは、大袈裟に最悪を説明する先生はどうか。でも先生、全員が先生に感謝してましたよ。

       ようやく安心して眠ったテン

それでこっちも慌ただしくなって。
動くようになったテンちゃん。その対策として、まず自宅からケージを持ってきて、寝床やトイレを作って、部屋ごと保温することにしました。病院の28℃は無理なので、ホッカイロ寝床暖房を併用に。これでテンちゃん、頑張って持ちこたえてくれ・・。

       ケージでお泊りのテン

そして今日、自分は今年始めて一日店を空けました。
でも朝早々に店からは嬉しい報せが。テンちゃん元気、うんこ踏んで臭いが大変、食欲も復活しているそうです。もちろん、まだまだ低体温と脱水症から回復するまでは予断を許さない。それから疥癬を治療して・・。 でもテンちゃん、急ぐ必要はない。君はもう一人じゃないんだから。

       今朝のテン(Aiさんより「元気です」)



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