「ミケランジェロと理想の身体」展に行ってきました(2018.6.21)@国立西洋美術館
500年の時を経て 若き頃のミケランジェロの傑作「若き洗礼者ヨハネ」と 壮年期の未完の傑作「ダヴィデ=アポロ」とが ここ 国立西洋美術館の地下フロアで再び出会う...不思議な感動を覚えました
コントラポスト(contrapposto) これは古代ギリシャの身体等の理想的な表現方法です 片足に重心を置いて 反対の肩を下げて身体のひねりを出すポーズ これがこの「ダヴィデ・アポロ」にも使われていました
この作品を見て鳥肌が立ちそうになったのは 未完であるため 箟(のみ)のあとが残っているのです 表面をすべすべに仕上げる時間もないまま 「最後の審判」の制作のためにクレメンス七世によってローマに呼ばれ そのままフィレンツェに戻ることなく亡くなるのです なのでこれは故郷での最後の作品となるのですね
なんとなく 未完の大作「ピエタ」(ヴァチカンにあるのではなく ミラノで見つかったもの)にも似ている気がしました
また「若き洗礼者ヨハネ」は まだ20才の頃の作品で 早くも古代の理想美に到達しています これは洗礼者ヨハネを わずか8才の子どもの姿であらわしており 先を見通すかのような眼差しはすでに大人のものであり 成長したらどれほどの偉大な人物になるかを表している とビデオでは説明していました
ミケランジェロの彫刻は すでにその石の中に掘られるべき像があり よけいなものを取りだして命を吹き込むことだと なので「目覚める囚われ人」(今回展示されていない)という彫刻は 四方からではなく一方方向にノミを掘り進めているとのこと
古代彫刻のラオコーン像が出土され それが彼の作品に影響を与えたとのこと
それにしても 「ダヴィデ・アポロ」は ダヴィデなのか?(目録にもダヴィデとあり 踏んでいる石はゴリアテの頭と言われる) アポロなのか? (ヴァザーリ曰く) 背にかけてある未完のものが完成していたのであれば 判明したはず... 運命の皮肉ですね 彫刻家であると自負していたミケランジェロの作りたかった作品が完成させられず 「最後の審判」に5年もかけて フィレンツェに戻ってこられないままだったのですから
そしてまた 「若き洗礼者ヨハネ」は ウベダ・エル・サルバドル聖堂に移され そこで1936年にスペイン内戦の爆撃により砕けるも 修復されてよみがえった(色が違っているのはそのせい)
この2つの作品は 1537年にメディチ家の殺人事件後にコジモ一世のもとで出会うのですが 今回500年の時を経て ここ東京で 世界遺産の国立西洋美術館の地下フロアで 部屋を隔てて同じ空気の中にいるなんて...不思議でした ミケランジェロが生きているかのような気がしました
この作品に到達するまでは 古代ギリシャの彫刻(ブロンズ 大理石 テラコッタ)や 地が黒いギリシャ壺 そしてナポリ国立考古学博物館で見たのあのタッチのフレスコ画 そして最後の方では デスマスクをもとに描かれたミケランジェロの自画像等も見てゆきました
「ラオコーン」のみ撮影OK これはヴィンチェンツォ・デ・ロッシの作品で 失われた右腕は後ろに挙げている 彼なりの解釈です
← ロッシのラオコーン像
入ってすぐのビデオは2回じっくり見ました イタリアの展覧会久しぶり~ よくここにサークルの皆と来たもんだと懐かしくなりました♡
「ミケランジェロと理想の身体」展(2018.6.19~9.24)は こちら
ちょぅど台湾フェスティバルもやっていました♪ (6.21~24)
← 上野公園の台湾フェスティバル
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500年の時を経て 若き頃のミケランジェロの傑作「若き洗礼者ヨハネ」と 壮年期の未完の傑作「ダヴィデ=アポロ」とが ここ 国立西洋美術館の地下フロアで再び出会う...不思議な感動を覚えました
コントラポスト(contrapposto) これは古代ギリシャの身体等の理想的な表現方法です 片足に重心を置いて 反対の肩を下げて身体のひねりを出すポーズ これがこの「ダヴィデ・アポロ」にも使われていました
この作品を見て鳥肌が立ちそうになったのは 未完であるため 箟(のみ)のあとが残っているのです 表面をすべすべに仕上げる時間もないまま 「最後の審判」の制作のためにクレメンス七世によってローマに呼ばれ そのままフィレンツェに戻ることなく亡くなるのです なのでこれは故郷での最後の作品となるのですね
なんとなく 未完の大作「ピエタ」(ヴァチカンにあるのではなく ミラノで見つかったもの)にも似ている気がしました
また「若き洗礼者ヨハネ」は まだ20才の頃の作品で 早くも古代の理想美に到達しています これは洗礼者ヨハネを わずか8才の子どもの姿であらわしており 先を見通すかのような眼差しはすでに大人のものであり 成長したらどれほどの偉大な人物になるかを表している とビデオでは説明していました
ミケランジェロの彫刻は すでにその石の中に掘られるべき像があり よけいなものを取りだして命を吹き込むことだと なので「目覚める囚われ人」(今回展示されていない)という彫刻は 四方からではなく一方方向にノミを掘り進めているとのこと
古代彫刻のラオコーン像が出土され それが彼の作品に影響を与えたとのこと
それにしても 「ダヴィデ・アポロ」は ダヴィデなのか?(目録にもダヴィデとあり 踏んでいる石はゴリアテの頭と言われる) アポロなのか? (ヴァザーリ曰く) 背にかけてある未完のものが完成していたのであれば 判明したはず... 運命の皮肉ですね 彫刻家であると自負していたミケランジェロの作りたかった作品が完成させられず 「最後の審判」に5年もかけて フィレンツェに戻ってこられないままだったのですから
そしてまた 「若き洗礼者ヨハネ」は ウベダ・エル・サルバドル聖堂に移され そこで1936年にスペイン内戦の爆撃により砕けるも 修復されてよみがえった(色が違っているのはそのせい)
この2つの作品は 1537年にメディチ家の殺人事件後にコジモ一世のもとで出会うのですが 今回500年の時を経て ここ東京で 世界遺産の国立西洋美術館の地下フロアで 部屋を隔てて同じ空気の中にいるなんて...不思議でした ミケランジェロが生きているかのような気がしました
この作品に到達するまでは 古代ギリシャの彫刻(ブロンズ 大理石 テラコッタ)や 地が黒いギリシャ壺 そしてナポリ国立考古学博物館で見たのあのタッチのフレスコ画 そして最後の方では デスマスクをもとに描かれたミケランジェロの自画像等も見てゆきました
「ラオコーン」のみ撮影OK これはヴィンチェンツォ・デ・ロッシの作品で 失われた右腕は後ろに挙げている 彼なりの解釈です
← ロッシのラオコーン像
入ってすぐのビデオは2回じっくり見ました イタリアの展覧会久しぶり~ よくここにサークルの皆と来たもんだと懐かしくなりました♡
「ミケランジェロと理想の身体」展(2018.6.19~9.24)は こちら
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