古代都市ポンペイの墓から新発見、文化や風習明らかに(2021.8.18)@イタリアのニュース
古代都市ポンペイで見つかった埋葬地で 保存状態の良い骨が発見され 古代ローマ時代の葬儀や文化活動の様子が新たに明らかになった
見つかった骨は 60代とみられる男性のもので 西暦79年のヴェスビオス火山の大噴火から数十年前に設けられた墓から見つかった。
墓に記された碑文には「マルクス・ベネリウス・セクンディオ」という男性の名前のほか ポンペイで演劇がギリシャ語で行われていたことが記されていた
当時 ラテン語だけでなくギリシャ語でも演劇が行われていたことを示す 直接的な証拠が見つかったのは初めて
ポンペイ考古学公園によると この男性の遺体は部分的にミイラ化した形跡があり 頭蓋骨には髪の毛と耳が残っていたという
当時は火葬が主流だったため 遺体が埋葬されたこのケースは非常に珍しいとみられる
男性の名前は別の公文書にも記録が残っており それによると 公共の奴隷でビーナス神殿を管理していたという
また のちに奴隷から解放され その墓の規模から 生前に一定の社会的・経済的地位を得ていたと考えられる
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次は イタリアのニュースです:
Pompei, scoperta una tomba con un corpo parzialmente mummificato
(ポンペイ、部分的にミイラ化された遺体のある墓の発見) は こちら
以下は要約です:
当時は火葬(l'incenerimento)が主流だった時代に 土葬( l'inumazione)による特別な墓が発見された
碑文(l'iscrizione)には ローマ植民地の劇場ではギリシャ語で演じられていたとある
フランチェスキーニ文化相は賞賛する: "ポンペイは驚かせることをやめない、イタリアの誇りだ”
学際的なチームの研究による発見では 遺体は部分的にミイラ化(in parte mummificato)しており 頭蓋骨は白髪で覆われ 部分的に保存された耳があり 遺体を包んでいた繊維の一部分があったという
サルノ門(Porta Sarno)の外にある墓は 噴火から数十年前のもので マルクス・べネリウス・セクンディオ(Marcus Venerius Secundio)という解放奴隷(liberto)のものだ
彼は最初はヴィーナス神殿(Tempio di Venere)の護衛(il custode)で 解放後はアウグストゥス時代の(Augustale)聖職者だった
解放後は経済的余裕もあり 名声のある場所に墓を建てた
碑文(iscrizione)にはこうある: “ludi greci e latini per la durata di quattro giorni" (4日間続くギリシャ語とラテン語の興行)
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碑文(l'iscrizione)
地中海エリアでは当時のギリシャ語は 少しばかり今の英語のように普及しており より裕福な家庭が ホメロスやアイスキュロス エウリピデスに熱狂していた
60才はすぎており 重労働には就いていなかったとのこと
なぜ火葬ではなく土葬だったのか? 当時のポンペイでは子供を除いては火葬だった
おそらく彼はローマ帝国以外の土地から来た外国人(traniero)であり 当時はいくつかの家族は土葬が主流だったのではないかとのこと
さらには セクンディオの遺体の横には2つの棺(urne)があり うち1つガラス製のものは おそらくは彼の妻Novia Amabilisと呼ばれる者のものであるという
防腐処理(imbalsamazione)もされており 繊維を調べると 防腐処理に使われた石綿(asbesto)のような布地であるという
多くの長さがこのミステリーに光を当て 同時にこの街の歴史の貴重なピースを加えるだろう
さらにはサルノ門(Porta Sarno)のネクロポリスと セクンディオの墓の訪問ルートも考えている
残念ながらそこは チルクムヴェスヴィアーナ(Circumvesuviana)鉄道の土地なので無理だが それも時間の問題だろう
我々は実現可能性のある研究を続けているのだと
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ギリシャ語での演劇が証明されたというのがすごいですね!
昨年末の記事「ポンペイにて途方もない発見、手つかずのテルモポリウム: 「鍋にはまだ食べ物が」(2020.12.26)」は こちら