日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

ドイツ語圏文化セミナー「クリムト、シーレ、オットー・ワーグナー没後100年記念企画 ウィーンと世紀末を彩った芸術家たち」に参加して(2018.6.15)@(公財)日独協会

2018年09月16日 | ドイツ語・独検

ドイツ語圏文化セミナー「クリムト、シーレ、オットー・ワーグナー没後100年記念企画 ウィーンと世紀末を彩った芸術家たち」に参加して(2018.6.15)@(公財)日独協会


1918年、ハプスブルク家の帝政終焉と共に、ウィーンのモダニズム芸術を生み出した4人の芸術家が世を去った

象徴主義を代表する画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)に 個性的な作風で知られる現代美術家
エゴン・シーレ(Egon Schiele) 近代建築家でウィーン分離派の中心人物 オットー・ワーグナー(Otto Wagner) ウィーン工房をデザインしたユニヴァーサル・アーティスト コロマン・モーザー(Koloman Moser)だ

ウィーン市は2018年を「モダニズム100周年記念」として様々な特別展を開催している: 
美術史美術館「クリムト・ブリュッケ」(2018年2月末~9月2日) 
ウィーン・ミュージアム「
オットー・ヴァーグナー展」(2018年3月15日~10月7日)
レオポルド博物館「エゴン・シーレ 表現主義と叙情詩」(2018年2月末~11月4日)
「グスタフ・クリムト展」(2018年6月22日~11月4日)他

詳しくは オーストリア政府観光局のHP

エゴン・シーレはタブーとされていた肉体を赤裸々に描き成功したが 1918年に大流行したスペイン風邪で28才の若さで亡くなる直前に描かれた「家族」(ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館蔵)には、出産を控えて亡くなった若き妻と赤ん坊も描かれている。

レオポルト美術館にはクリムトの大作「死と命」も展示されている オーディオガイドの日本語版の解説は大変分かりやすい 一般にどこのミュージアム・ショップでも街中の土産物店より良い品を揃えており 近代的デザインや名画を模したスカーフ等のグッズもある

美術史美術館の吹き抜けの「階段の間」には若き頃のクリムトの絵が柱の間にあり見えづらいため、スワロフスキー社が双眼鏡を寄贈したエピソードを伺った
二階のカフェは ウィーンでこれ程優雅で美しいカフェはないとのこと
さらにはフェルメールの「画家のアトリエ(絵画芸術)」 この絵の為にウイーンに来るファンもおり ブリューゲルの「雪中の狩人」も日本人に人気で 講師の沖島博美先生はこの絵とよく似た風景をボヘミアの冬の列車の旅でご覧になり 大変感動されたそうである

← 有名なクリムトの「接吻」

グスタフ・クリムトは金箔を使った人物画が有名だが 「接吻」のあるベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館所蔵の「アッター湖畔の家」は、クリムト一族が今も住むアッター湖畔の 写真では再現できない風景画の印象派のような色遣いが見事 またここにはシーレの「死と乙女」もある

「ウィーン市博物館・カールスプラッツ
」は観光客がそれほど訪れることがない穴場で、クリムト作「エミーリエ・フレーゲ」は、クリムトの愛人たちの中で本命だった女性の肖像画といわれている
  
さらにユーゲント・シュティールの建築では セセッシオン(分離派会館)が そしてバウハウス以前の巨匠であり建築家オットー・ヴァーグナーの手がけたカールスプラッツ駅舎 メダイヨンハウス マヨリカ・ハウス 郵便貯金局、またコロマン・モーザのウイーン工房とMAK(応用美術館)等をご紹介いただき 宿泊するホテルの窓からごく普通に貴重な文化財が見られる これがウィーンなのだと力説された

さて街の観光に移り シュテファン大聖堂の屋根に使われた瓦屋根はハンガリーのジョルナイ工房作で ブダペストのエリザベート教会の屋根瓦と同じ
アウガルテンの磁器のピンクの「ウィーンの薔薇」が日本人に人気だが 新色シリーズもできた
奥にカフェがあることがあまり知られていないデーメルのザッハトルテ そしてアンナ・トルテが名物、等々。

旧王宮のスペイン乗馬学校では白馬の調教ショー等も間近で見られ 近くに『第三の男』に出てきた家がある
旧王宮の国立図書館は世界一美しいといわれ シシィ・ミュージアムのエリザベート(シシィ)婚礼前夜の衣装等も大変美しく 皇帝の居室 さらにはウィーン会議で使われた皿や神聖ローマ皇帝の冠(ニュルンベルクにあるのはレプリカ)等も所蔵されている

王宮庭園には有名なモーツァルトの銅像があるが 68年間統治したフランツ・ヨーゼフ皇帝の銅像は隅に置かれている
美しい市庁舎はその後 ミュンヘンの市庁舎など多くの建物に影響を与えた 市庁舎前の広場にはクリスマス市が立つ
ブルク劇場にはクリムトの天井画があり 裏手の市民庭園にはシシィの大理石の像がある
二頭立てのフィアカーというオープン式観光用馬車もウィーンならでは

自然界に直線という線は存在しない」と主張して造られたフンデルトヴァッサークンストハウス・ウィーンのカフェは が生い茂る夏が雰囲気がよい。
クリムト・ヴィラが一般公開されアトリエが再現されている シェーンブルン宮殿についても詳しくご説明いただいた。

最後にヨーロッパ人好みのモダンなホテルがいくつか(ハンモックのあるホテル、出窓に入り込めるホテル、25時間ホテル等)紹介され 最後にデーメルとザッハーのザッハー・トルテの食べ比べの結果を伺い、活発な質疑応答でお開きとなった
 
参考: 「旅名人ブックス67 ウィーン 文化都市8つの物語」(沖島博美著、日経BP企画発行) は こちら

  
      *     *     *

実は 沖島先生の著書 「プラハ 迷宮の散歩道」がうちにありました♪ このチャンスにサインいただきました( `ー´)ノ 

シェーンブルン宮殿やシュテファン大聖堂等には昔行きました 新年の花火も観ました! 懐かしいですね♡

ドイツ語圏文化セミナー「クリムト、シーレ、オットー・ワーグナー没後100年記念企画 ウィーンと世紀末を彩った芸術家たち」は こちら


私の拙いリポートが (公財)日独月報7月号に掲載されています
素晴らしいセミナーを開催してくださいました(公財)日独協会様に心よりお礼申し上げます

* 写真は ゼツェッシオン(分離派会館)




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