「伝説となった国 東ドイツ」「Wie war das in der DDR?: Einblicke in die Zeit des geteilten Deutschland」を読みました(2024.09~10)@東京ドイツ文化センター図書室
東京ドイツ文化センターの図書室で借りてきた DDRの人々へのインタビューをまとめた本「伝説となった国 東ドイツ」 そして わかりやすく簡単なドイツ語で 旧東ドイツ(ehm. DDR)時代の暮らしぶり等を紹介するドイツ語の読本で 2人の子どもの目線で様々なテーマについて語る「Wie war das in der DDR?: Einblicke in die Zeit des geteilten Deutschland」の2冊を読みました 後者は忘れかけたドイツ語のリハビリにちょうどよく 音読しながら読み進めました
どうしても旧東ドイツの本に目が行ってしまうのです...
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「伝説となった国 東ドイツ」 (平野洋著 2002年現代書館発行)は 著者が1988年~1993年までの5年間 ライプツィヒと東ベルリンに留学していた頃に 1989年のベルリンの壁崩壊と 1990年のドイツ統一を現地で体験した際の記録であり 1994年から2002年のユーロ登場までに 多くの現地の人々へのインタビューをしたもので構成されています
特に記憶に残っているのは 時間をかけて統一するのではなく 当時のH.コール政権が 強大な西ドイツが東ドイツを飲み込むようにして統一していったくだりです
そんな中で旧東ドイツの人々は 職を失ったり 西に逃げた人たちから東に残した土地や家の所有権をめぐる裁判を起こされたり 経済的格差に苦しみながら苦難を乗り越えていった過程が見えてきます
東のホーネッカー政権は ナチスによって獄中にあった期間が長いというだけで政権に治まり... そしてシュタージ(国家秘密警察)による監視社会へと移り... 1989年秋のライプツィヒの月曜デモの参加者たちへのインタビューも貴重な記録です
西の人間と結婚した東の人の人生観と異なる東ドイツ観 東にもいいところはあった等と言う東の人への西の人々の憤慨 西の人は打ち解けてくれないという東の人の言い分 元シュタージの人へのその後についてのインタビュー等 壁崩壊時に東の親戚が西の親戚を訪ねてこない理由 外国人に対する暴力は東の方が多い理由など...
2002年からの新通貨ユーロ登場までの時点での東西ドイツの人々の赤裸々な言葉を記録した貴重な一冊です
他にも ドイツのマンガの対訳本も借りて読みました
東京ドイツ文化センターの図書室