本の朗読って聴く機会ありますか。
僕はAmazonのオーディブルの会員になっています。
オーディブルとは、プロのナレーターが朗読した本をアプリで聴けるサービスです。
会員は月1500円で、毎月一冊もらえる。気にいらなければ返品や交換が可能です。
Amazonの回し者みたいになってきたので、やめます(笑)。
僕は、車の運転中や歩きながら聴いています。朗読で本を聴くというのはすごくいいですよ。
これから朗読はトレンドになっていくと思います。
2年くらい会員になっているので、かなりの量の本があって、まだ聴いていないのもある。
今回は、ロング・グッドバイの朗読を聴きました。19時間18分。かなり長い。
聴き終わるまで、2週間くらいかかりました。
朗読をしているのは、早乙女太一さんです。
朗読の良し悪しについて詳しく書きたいけど、長くなるのでやめます。
点数をつけると、前半60点・後半80点。途中から、だんだん上手くなっていきます。
そうそう、本の感想でしたね。
ロング・グッドバイを昔読んだことがありました。しかし、内容を全く忘れていました。
たぶん、よく読んでいなかったんでしょう。ほとんど初めて読んだようなものでした。
簡単にいうと、傑作でした。やっぱり、すごい小説だと思いました。
話にどんどん引き込まれていきました。
主人公の私立探偵フィリップ・マーロウは、友人の無罪を証明するために、真犯人を探り当てていきます。
マーロウは、もっと暴力的でマッチョなタイプだと思っていました。
まあ、マッチョはマッチョなんですが、思っていたのとは、ちょっと違う。
暴力はほとんど使わない。むしろ暴力を振るわれ、痛めつけられる。
それでも、マーロウは、自分の信念を絶対曲げない。そういうタフさです。
警察に脅される。ヤクザに脅される。大富豪に脅される。しかし、折れない。絶対、折れない。
身の危険を示唆されても、折れないんです。
このタフさは何なのだろうか?と考えました。
身の危険や人生を台無しにされる可能性があっても、折れないというのはどういうことなのか?
それは、命より大事なものがあるということです。
たとえば、親なら自分の子供は、命より大事かもしれない。
宗教を持っている人は、自分の信仰が命より大事かもしれない。
じゃあ、マーロウの大事なものはなんだ?ということです。
思うに、これ自体が謎になっています。
マーロウはなんでそんなに意固地になって頑張っているんだ、それが知りたいと。
最後のページを読み終わります(朗読が終わる)。事件のすべての謎は解けました。
すべてが一件落着すると、スッキリする。これが普通の小説ですよね。
しかし、この小説は、なんとも言えない余韻が残る。読み終わったあとも、何か後ろ髪を引かれるものがある。
この余韻は何なのだろうか?
それは、マーロウの内面の謎が解けないままだからです。
わかったようなわからないような、不思議な感覚に襲われます。
金よりも、楽しい生活よりも、愛よりも、守らなくてはいけないものは何なのか。
男の矜持、個人的な規範、男の生き方。
全部当たってるようで、全部見当違いにも思える。
ほんとお酒が飲みたくなります。全くお酒を飲まない僕でさえ。