「ホンモノの思考力 樋口裕一著」という新書をパラッとめくりました。
そこに、フランス人は何を聞かれても、とりあえず自分の意見を言う。口ごもることはないと書いてありました。
とりあえず意見を言うために、大事なことがあります。
それは、論理的な型を使うことです。
フランス人はその論理的な型を用いて知的に話をするそうです。
そうすれば、あんまり深く考えていないことでも、論理的に破綻しない。
まあ抽象的な話をしても面白くないので、いきなり具体的にいきましょう。
たとえば、こういう型です。
1、私は~考える
2、たしかに~ しかし~ (反対意見に配慮し反論する)
3、根拠
4、結論
何か文を作ってみましょう。レジ袋有料化についての意見です。
1、私は、レジ袋は無料がいいと思っています。
2、たしかに、有料化すると、みんながレジ袋を使わなくなり海洋ゴミが減るでしょう。そして、環境は良くなるかも知れません。
しかし、もともと日本の出す海洋ゴミは少なく(ほとんど中国)、有料化しても効果はないと言われています。
3、むしろ、有料化は実質的に増税と同じだし、環境を良くするのにそれほど効果がない。
4、だから、私はレジ袋は無料が良いと思っています。
1、私はレジ袋有料化には賛成です。
2、たしかに、エコバックを持ってないと、出費が増えます。しかし、エコバックを持ち歩けばいいだけの話です。
3、むしろ有料化は、石油資源の消費を抑制できますし、ごみ処理コストも削減できます。
4、だから、私はレジ袋有料化に賛成します。
こんな感じで、論理の型を使えば、どっちの立場からも、もっともらしい意見が作れます。
簡単に作れる割には、頭がよく見えますよね。
逆に、頭が悪く見える会話の例があげられていました。
1、道徳的な説教ばかりする。
2、具体性のない理想論をぶつ。
3、少ない情報で決めつける。
4、他人の考えを鵜呑みにする。
これらに共通していることは、思考停止していることですね。
抽象的な話をしても問題は解決しません。
たとえば、旦那さんが浮気をしています。単に「不倫は悪いことだ」といくら言っても問題は解決しません。
これ以上浮気するならどうなるか理由をつけて説得する。離婚する、慰謝料請求する、などなど。
どうせ説得するなら理路整然とするのがいいんですよね。
それでも、説得はできないかもしれませんが、問題点ははっきりします。
まあ、僕も具体性のない理想論を言ったり、少ない情報で決めつけたりするので、気をつけたいですね。