コロナの影響で、体温計の進化がすごい。
最近は、スマホみたいなのに顔をかざすと体温が検知されのがある。
体温計というか検温モニターというらしい。
いつも行ってる建物にも、この検温モニターというのが導入された。
顔にかざして数秒で、体温が出る。おう、いいねって感じだ。
それで、今日だ。二十日の月曜日。
久しぶりに東京は、30℃くらいだった。
クソ暑かった。ああ、嫌な季節がやってきたな。暑すぎてだるいよ。
そんなことを考えながら、いつものように検温モニターに顔をかざした。
ピピピピーって鳴った。けっこう大きめの音だ。はぁー、何だ。
37.6℃です。中に入れません。
えっーーーーーー。
僕は声を出して驚いた。だって、会社で体温を測ったときは36.5℃だったから。
でも、そう言えばちょっとだるいな。体があんまり動かないし。
うわー、もしかしたら、コロナにかかったかも。どうしようか。まいったな。
どっかの薄暗いホテルに隔離されて、1人孤独に一週間くらい過ごさないといけないのか。
ついにやっちまったな。
そんなことを、数秒のうちに、あれこれ考えてしまった。
「えーっとですね。これでもう一回測ってもらえますか」と警備員さんが言った。
家庭にある普通の体温計を僕に差し出した。
「脇にさして使うやつですよね」当たり前なんだけど、一応確認した。アホみたいだが、一応ね。
「そうです」警備員さんは軽く薄笑いを浮かべていた。
一分くらい経って、ピピとなる。出して見ると、36.1℃
「あっ、大丈夫ですね。通っていいですよ」警備員さんにそう言われた。
ハハハ、なんだよ。ビビらせやがって。
「あのモニターおかしいんですか」と僕は聞いてみた。
「ええ、そうなんです。外気の温度が高いと、体温が高く出るみたいで」警備員さんが言った。
それを聞いたとき、何でも最新型がいいわけではないな、と思った。
夏に使えないなんて、役に立たないじゃん。
やっぱり、昔ながらの体温計が最強なんだな。アナログアナログ。
でも、間違ってるにせよ体温が高く出ると、健康なくせに急に具合が悪く感じるのは、やっぱりアホなんでしょうね。
つくづく自分が情けなくなります。