青い空が大好きな゛bluesky531゛の徒然日記

日常の出来事を日記風に徒然なるままに書いています。

緊張しながら観た『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』の映画

2020-03-25 06:30:00 | レビュー/感想

■『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』チラシ

■『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』パンフレット

■TOHOシネマズ仙台

■JR仙台駅

 3月22日、JR仙台駅前のTOHOシネマズ仙台で『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』の映画を観てきました。
 この映画は、学生運動が華やかな半世紀前、作家・三島由紀夫が東大全共闘(全学連)の学生らを相手に繰り広げられた討論会の映像をもとに制作されたドキュメンタリー映画でした。

【封切り間もない映画】
 3月22日に公開されたばかりの映画で、映画を観たいと思ったきっかけは、思想的に交わらない三島由紀夫と東大全共闘が、言葉によって堂々と渡り合う映像がどんなものなのかと思ったことからでした。更に青春時代の真っ只中で味わった出来事を映像を通して再確認をするためでもありました。

【東大駒場キャンパスの900番教室の舞台】
 学生らが立てこもった安田講堂事件から約4ヶ月後の1996年5月13日、東大駒場キャンパスの900番教室、今でもその教室があるそうですが、『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』』で繰り広げられた討論会でした。

~ドキュメンタリーは、第一章から第三章、最終章と

 ドキュメンタリーは、第一章「七人の敵あり三島の決意表明」、第二章「対決」、第三章「三島と天皇」、最終章「熱情」からなりスリリングな討論会に構成されていました。

~1000対1
 反体制派の学生が1000人以上が集う大教室、三島由紀夫が一人で乗り込んだステージ、最初に三島が話す内容に釘付けになり、反体制派の学生らと丁々発止で渡り合う三島と学生の討論は緊張・緊迫の連続でした。
 内容は、映画を観てのお楽しみということで書きませんが、三島由紀夫が、学生たちの言葉に耳を傾ける様子は、流石、天才作家の度量の大きさというか、学生たちを慈しむ気持ちさえ芽生えるような感じを受け、妙に納得するものがありました。

~難解な討論会
 三島と学生の討論は、難解で理解に苦しむ内容ばかりでしたが、芥正彦氏が、赤ん坊を抱えて登壇した映像は、激論を展開する舞台としては場違いな感じがしましたが、その雰囲気が900番教室を和ませる役割もあったのではと思いながら鑑賞してきました。

~建設的な議論
 映像には、緊張感が走る場面が何回かありましたが、討論はののしり合いではなく建設的な議論にもなっていき、三島の懐の大きさに安堵するものがありました。

~今では考えられないステージ

 討論会は、三島と学生がタバコを燻らせて始まり、激論の場としてタバコの間合いと言うかタバコの持つ力を感じさせられ、今では、到底、考えられないステージに不思議な感覚を感じました。

~会場を後にした三島由紀夫
 三島は学生たちから共闘を問われ、『諸君の熱情は信じます』と言って会場をあとにした三島の余裕のある後ろ姿は何だったのかと思いました。

~「熱と敬意と言葉」
 三島と東大全共闘は立場の違いがあれどこかで繋がるものがあるような、「熱と敬意と言葉」に圧倒された『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』の映画でした。

【当事者他の対談がリアルに】

 ドキュメンタリー映画では、元東大全共闘や元盾の会、討論の場にいたメンバー、三島と親交があった人々、三島と論じた文化人等の感想が随所にあり、当時を振り返ってのリアルさが一段と増したのではと思いました。

【心地良いナビゲーターの東出昌大】
 ナビゲーターの東出昌大の語り方も映画を引き立たせる大きな役割があり何とも言えないドキュメンタリー映画になったと思いました。

【考えさせれた映画鑑賞
 私自身、右も左も無い人間ですが、半世紀前の出来事を考えると今の世の中はどうなのかと思いながらふと立ち止まった映画でした。