稽古で村上さんの「野干」を使うことで 師匠に「本物の野干拝借させてくださ~~い」とさりげなくアピール。(^_^; そうして公演が近づいたある日、師匠に『殺生石』の稽古をつけて頂いた際に「野干」を拝借させて頂きたい旨をご相談申し上げましたところ、意外にも すんなりとご許可頂くことができました。
こうして公演当日に師家所蔵の「野干」を拝借させて頂いたのですが、出番になるまで楽屋でこの「野干」を調べておりましたところ。。なんと、こういう激しい動作がある曲に使う面には珍しく、ほとんど視界が利かない面だということがわかりました。村上さんはこの「野干」を写されたわけですが、さすがにここまでは精密に写されていたわけではなかった。。
それで、悩んだあげく、また師匠のご子息とも楽屋で相談して、公演では村上さんの作の「野干」を使うことにしたのです。古い本面の「野干」を使わせて頂く許可を頂いた千載一遇の機会ではありましたが、視界が利かないことで稽古の成果が出せないことで、あとに残る後悔を考えれば無理な冒険は避けたいと。。苦渋の選択ではありましたが、結果的には後悔は残さずに演じることができましたので、これで良かったのではないかなあ。。
さて村上さん作の「野干」ですが、村上さんが師家の「野干」の写シを打たれたとき、控えとしてご自身のお手元に一面だけ残されていたものを拝借したので、公演後に拝借した「野干」は村上さんにお返し致しました。ところが先日ご連絡を頂きまして、この唯一の「写シ」を ぬえに差し上げたい、とのこと。
お目に掛かってお話を伺えば、たしかに村上さんのお手元に残っていた「野干」は一面だけだったのですが、このたびその「写シ」からさらに もう一面の「写シ」を作ったのだそうです。そうして、その新しい面をご自身の控えとして残し、先日 ぬえが拝借した面は、ぬえに差し上げたい、とのことでした。(!)
村上さんがおっしゃるには「ぬえさんも懸命に稽古されて一緒に舞台に立たれたこの野干はお手元に置きたいでしょうから。。」。。ああ! そんな気を遣ってくださったのですね。さらに聞けば「やはり“写シ”からさらに“写シ”の面を打つのは容易なことではありませんね。今回はあまり自分でも納得がいきませんでした」とのこと。その「納得のいかない」面をお手元に残し、上出来の方を ぬえに頂けるとは。。
まあ。。村上さんはこういう方です。ぬえはとっても信頼しております。ご自身では決して面打ち師として宣伝されることを嫌う方でもあって、「ぬえさんのお舞台のお手伝いができれば。。」と常々おっしゃってくださいます。ぬえには。。数多い恩人の一人ですね。
そういえば。。ぬえは村上さんの面を好んでよく使わせて頂くのに、村上さんはずっと ぬえの舞台の裏方さんのような立場に徹しておられるので、あるとき ぬえのサイトで村上さんをご紹介するページを作ることを思い立ちました。そうしてある日、次に拝借する面の相談のために村上さんのお宅に伺うことになった機会に、面を打っておられる様子を撮影させて頂くことをお願いしたのです。ぬえは村上さんに「作務衣かなんかを着て、稽古場で一心不乱に面を向き合うところを撮りたい」と、あらかじめお願いしておきました。
ところが。。約束の日時に伺ってみると、村上さんは普段着のまま。。(¨;)
よく伺ってみると、「いやあ。。私はずっとアマチュアのつもりですんで。。ぬえさんのお気持ちはありがたいですが、宣伝などはおこがましいです。これからも ぬえさんの舞台のお手伝いができれば、それでいいんです」というお答えでした。そういう人なんです。
ぬえって、このように応援してくださる方がたくさんあって、とっても幸せだと思います。今回頂いた「野干」の面は、自分が舞台で使った、という以上に、村上さんの心がこもっている、という意味で宝物だったりします~
こうして公演当日に師家所蔵の「野干」を拝借させて頂いたのですが、出番になるまで楽屋でこの「野干」を調べておりましたところ。。なんと、こういう激しい動作がある曲に使う面には珍しく、ほとんど視界が利かない面だということがわかりました。村上さんはこの「野干」を写されたわけですが、さすがにここまでは精密に写されていたわけではなかった。。
それで、悩んだあげく、また師匠のご子息とも楽屋で相談して、公演では村上さんの作の「野干」を使うことにしたのです。古い本面の「野干」を使わせて頂く許可を頂いた千載一遇の機会ではありましたが、視界が利かないことで稽古の成果が出せないことで、あとに残る後悔を考えれば無理な冒険は避けたいと。。苦渋の選択ではありましたが、結果的には後悔は残さずに演じることができましたので、これで良かったのではないかなあ。。
さて村上さん作の「野干」ですが、村上さんが師家の「野干」の写シを打たれたとき、控えとしてご自身のお手元に一面だけ残されていたものを拝借したので、公演後に拝借した「野干」は村上さんにお返し致しました。ところが先日ご連絡を頂きまして、この唯一の「写シ」を ぬえに差し上げたい、とのこと。
お目に掛かってお話を伺えば、たしかに村上さんのお手元に残っていた「野干」は一面だけだったのですが、このたびその「写シ」からさらに もう一面の「写シ」を作ったのだそうです。そうして、その新しい面をご自身の控えとして残し、先日 ぬえが拝借した面は、ぬえに差し上げたい、とのことでした。(!)
村上さんがおっしゃるには「ぬえさんも懸命に稽古されて一緒に舞台に立たれたこの野干はお手元に置きたいでしょうから。。」。。ああ! そんな気を遣ってくださったのですね。さらに聞けば「やはり“写シ”からさらに“写シ”の面を打つのは容易なことではありませんね。今回はあまり自分でも納得がいきませんでした」とのこと。その「納得のいかない」面をお手元に残し、上出来の方を ぬえに頂けるとは。。
まあ。。村上さんはこういう方です。ぬえはとっても信頼しております。ご自身では決して面打ち師として宣伝されることを嫌う方でもあって、「ぬえさんのお舞台のお手伝いができれば。。」と常々おっしゃってくださいます。ぬえには。。数多い恩人の一人ですね。
そういえば。。ぬえは村上さんの面を好んでよく使わせて頂くのに、村上さんはずっと ぬえの舞台の裏方さんのような立場に徹しておられるので、あるとき ぬえのサイトで村上さんをご紹介するページを作ることを思い立ちました。そうしてある日、次に拝借する面の相談のために村上さんのお宅に伺うことになった機会に、面を打っておられる様子を撮影させて頂くことをお願いしたのです。ぬえは村上さんに「作務衣かなんかを着て、稽古場で一心不乱に面を向き合うところを撮りたい」と、あらかじめお願いしておきました。
ところが。。約束の日時に伺ってみると、村上さんは普段着のまま。。(¨;)
よく伺ってみると、「いやあ。。私はずっとアマチュアのつもりですんで。。ぬえさんのお気持ちはありがたいですが、宣伝などはおこがましいです。これからも ぬえさんの舞台のお手伝いができれば、それでいいんです」というお答えでした。そういう人なんです。
ぬえって、このように応援してくださる方がたくさんあって、とっても幸せだと思います。今回頂いた「野干」の面は、自分が舞台で使った、という以上に、村上さんの心がこもっている、という意味で宝物だったりします~