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宮家(みやけ)邦彦の発言より - - - 米中東政策に関連する神話から一部

2009-07-28 15:55:02 | 中東関連
「パレスチナ問題がすべての根源」「ユダヤロビーが仕切ってい
る」「オバマの新しい中東政策」などいずれも神話と見なければ
ならない、と辛口の彼一流の分析を展開した。7月25日同志社大学
一神教学際研究センターが主催した講演会で宮家氏は自信あふれ
る弁舌で会場を埋めた聴衆の注目を集めた。

イスラエルがパレスチナ人に対して行っていることは、理不尽で
指弾されなければならない、しかしパレスチナ人自身の統治能
力にも問題がある、30年たって何の進歩もない
、と語った。*この
点について私もそのように感じていた。また、ユダヤロビーにつ
いて話した時、アラブ系アメリカ人はどうしているのか、人口か
ら言っても少なくないはずなのにどこにいるのか、もっと影響力
を持てないのか、もっと頑張ってほしい、と言う。そしてこの二
つのことは同根である、と見る。

欧米の民主主義がキリスト教に根ざしたものであるのに対し、イ
スラム的民主主義があってもよい、それには安定した中産階級の
存在が不可欠である、と言う。

オバマの中東政策は、一見よくなっているように見えるが、せい
ぜいクリントン政権の時に戻ったくらいで、中東を取り巻く複雑
で変転する過去の歴史的流れの枷から簡単に逃れられるものでは
ない、と厳しい現状を指摘した。

以上は私が初めて接する宮家氏の積極的な面を示すものである。
好感を覚えた。外務省での経験に基づき、長期のスパンによる正
確な分析が弁舌さわやかに展開され、大変わかりやすい。パワー
ポイントによる提示も多くの資料を駆使し行き届いていてテンポ
が速い。

しかし、確認のためインターネットで検索してみると、氏の評価
は必ずしも芳しくない。私が気付いた点は、論文・著作が全くと
言ってよいほどないこと、また、最右翼とされる産経新聞のコラ
ムに連載執筆し、時に右寄りな発言があるらしいことである。今
後、駐米、駐イラクなど豊富な実務経験を持ち、大変有能な宮家
氏の発言と動向に注目していきたいと考えている。同志社のセン
ターが講師として招いたことも考慮して。

* ジャーナリストの土井敏邦がガザの絶望的状況について、結局
そこの住民(指導層ハマスを含めて)が事態を変えていくのを待
つしかない、と述べたのに通じる。当ブログ 08.7.26記事


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