7月7日、キャンプハンセンに隣り合う金武の伊芸地区の民家に実弾の流れ弾が、窓を突き破って落ちているのが、見つかった。前日の7月6日の午後に窓ガラスの割れる音を聞いたという。その時に実弾が落ちたものと思われる。
米軍は、7月4日から10日間、キャンプハンセン内で実弾射撃訓練をするという通知を出していた。これまでも何度も実弾の流れ弾が民家や道路など落下する事件が繰り返されてきた。
今回、米軍は自分たちの演習の流弾ではないと否定しているという。ふざけんな!と言いたい。南部の会は、7月14日付けで、在沖米軍・総領事館・キャンハンセン司令官あてに抗議文を出した。今度の流弾事件が起きても、訓練を中止さえ要求しない日本側(総理大臣・外務大臣・防衛大臣・沖縄防衛局・沖縄担当相)にも抗議文を発送した。
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米国総領事官 マシュー・ドルホ 様 2022年7月14日
在沖米軍司令官 ジェームス・ピアマン中将 様
キャンプ・ハンセン司令官 レスター・カンパー大佐 様
沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会
住民の暮らしや命を脅かす金武の流弾事故に抗議する
さる7月7日、キャンプ・ハンセンからわずか330㍍しか離れていない金武伊芸地区の民家の勝手口の窓ガラスが割れ、その下に実弾が落ちているのが見つかった。沖縄県警は器物損壊容疑などで捜査を進めているという。それによれば7月6日午後2~3時ごろ、家主の男性から「ガラスの割れるような音」を聞いた。午後10時過ぎにこぶし大に割れたガラスの下に実弾のようなものを発見したという。
防衛局や県、金武町には米軍から7月4日から10日間、キャンプ・ハンセンで実弾射撃訓練を実施する、レンジ16か所での演習との通知があったそうだ。しかし、住民にはレンジの場所は知らされていない。コメントを求められた防衛局は「現在、情報収集中だ、確たることは申し上げられない」と答えているそうだが、まかり間違えば命の危険すらあるというのに訓練の中止すら求めない姿勢は極めて問題である。
これまで同じ敷地内の半径50㍍以内に7件の事故が集中しているそうだ。別の箇所の100㍍以内でも被弾や流弾が集中しておきているという。民家や道路に数十発の機関銃弾が撃ち込まれたり、3歳児の太ももを直撃されたり、水源地からの水道管に銃弾が打ち抜かれ、取水がストップしたり、駐車中の車が被弾したり、これまで多くの流弾・被弾事故がおきてきた。しかし、多くの事故が被疑者不詳のまま捜査は終了。名護の数久田でおきたキャンプ・シュワブからの被弾事故でも被疑者不詳のまま捜査は終わっている。日米地位協定の壁が立ちはだかり、事故原因の究明や再発防止どころか、住民の命を危険にさらす事故がこれまでも何度も繰り返されてきた。米軍はこれまでと同じように今回の事故もキャンプ・ハンセンとの因果関係を否定しているそうだ。報道機関の取材に対して「慎重に管理された実弾射撃訓練で使用されたどの兵器システムでも発射できなかった。(見つかった)銃弾のようなものは古く腐食している」と答え、流弾の可能性を事実上否定しているという。民主主義や人権を唱える資格があるのかと問いたい。一般住民が実弾を飛来させることはあり得ない!どこから実弾をもってくるというのだ。さらに、木原官房副長官は「事案の内容を把握していくことが大切だ」とのべ、事案の内容を調査もせず、米軍の射撃訓練継続を容認している始末である。
住民の暮らしや命を危険にさらす実弾射撃訓練は即刻中止し、日米は今回の事件の原因を究明し、再発防止を講じるべきは当然である。基地隣接で暮らす住民の恐怖を取り除き、安全に暮らす権利を保障するよう、以下要求する。
記
* 米軍は直ちに射撃訓練を中止し、日米は事故原因の究明・再発防止策を示せ
* 被害をうけた住民への謝罪と補償をせよ
* 事故の捜査が保障されるように日米地位協定を抜本的に改訂せよ