第149回 2017年1月24日 「素朴が大好き!山里の器~大分 小鹿田(おんた)焼~」リサーチャー: 三倉茉奈
番組内容
大分の小鹿田(おんた)焼きは、熱烈なファンを持つ、素朴で上品なロングセラーだ。山里で、自然に寄り添いながら作るそのやり方は江戸時代以来、300年間変わらないという。ゴマなどをよくすることができ、しかもそのまま皿としても使える「すり鉢」は、料理研究家も絶賛する人気のイッピン。さらに小鹿田焼きの代名詞ともいえる、放射状の模様が印象的な「飛びカンナ」の皿。これらはどのように作られるのか?三倉茉奈が探る。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201701241930001301000 より
小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の山間、皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれている陶器です。
平成7(1995)年には国の重要無形文化財に指定され、平成20(2008)年3月には、更にこの地区全体が「小鹿田焼の里」の名称で重要文化的景観に選定されています。
小鹿田焼は、慶長5(1600)年に朝鮮から連れてこられた陶工により開窯された「小石原焼」(福岡)の兄弟窯です。
このため、技法などは小石原に共通するものが多いのが特徴です。
「小鹿田焼」は宝永2(1705)年、日田郡大鶴村(当時)の黒木十兵衛が、小石原村(福岡)の陶工・柳瀬三右衛門をこの地に招き、李朝系の登り窯を築造したのが始まりです。
開窯依頼300有余年に渡って、当時の技法を「一子相伝」によりひっそりと受け継ぎ、窯の火を守ってきました。
転機が訪れたのは、昭和6年に民芸運動の指導者・柳宗悦氏の来山でした。
その技法と素朴な作調が賞揚されました。
また、昭和29年・39年には、世界的にも著名な英国のバーナード・リーチ氏も逗留し、作陶された経緯があります。
現在も、集落の谷川で永い歴史と伝統を守りながら10軒の窯元がじっくりと手仕事に取り組んでいます。
伝統のや刷毛目といった技法をベースに、軽く使いやすい器はまさに民藝を体現するものです。
小鹿田焼の器は全て登り窯で焼成されています。
小鹿田焼の器の特徴はなんと言っても「飛び鉋」「刷毛目」「櫛描き」の技法です。
そしてそこに「流し掛け」や「打掛け」といった華飾。
1.坂本工窯(8代目・坂本工さん)
小鹿田焼の坂本工窯さんは釉薬の原料になる灰や土を地元の物で自家生産し、科学原料を使わずに天然の原料で作陶されています。
その独特とも言える乳白の釉薬の色合いは柔らかく、優しい温かみがあるのが特徴です。
刷毛目や飛び鉋の雰囲気も綺麗に緻密にというよりは大らかで、手仕事の味わい深さを感じます。
2.黒木富雄窯(若き飛び鉋名人・黒木昌伸さん)
「黒木富雄窯」は富雄さんと息子の昌伸さんの2人で作陶している、
小鹿田焼の共同窯の登り窯の真横にある窯元です。
小鹿田の皿山と呼ばれる集落の真ん中に位置しています。
大胆なものから細やかな繊細なものまで、とてもバランス良く、使いやすい器を手掛けられています。
昌伸さんは小鹿田の若手の陶工としてこれからが期待されています。
*http://atmarymead235.seesaa.net/article/446262464.html より
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