第184回 2018年2月13日 「ポップでキュート あでやかに!~埼玉 岩槻のひな人形~」リサーチャー: 田丸麻紀
番組内容
今回は埼玉県・岩槻のひな人形。時代のニーズに合わせ、職人達が新しい人形づくりに挑んでいる。近年人気なのは現代的な顔立ちのひな人形。長いまつげに親しみやすい笑顔、十二単(じゅうにひとえ)の色合いはポップなパステルカラー。衣装の裏地まで丁寧に縫製された本格的なイッピンだ。さらに驚くほどコンパクトなひな人形も登場。型崩れせず扱いやすいと評判の衣装は驚きの伝統技で作り込まれている。田丸麻紀が徹底リサーチ。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201802131930001301000 より
旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節であることから、「桃の節句」とも呼ばれています。
「ひなまつり」の歴史は古く、その起源は平安時代中期にまで遡ります。
当時は、三月の初めの「巳の日」に、「上巳の節句」(じょうし、じょうみ)と言って、無病息災を願う祓いの行事をしていました。
陰陽師を呼んで天地の神に祈り、季節の食物を供え、また「人形(ひとがた)」に自分の災厄を托して海や川に流すのです。
また、その頃、上流の少女達の間では「ひいな遊び」というものが行われていました。
「ひいな」とはお人形のことで、紙などで作った人形と、御殿や、身の回りの道具を真似た玩具で遊ぶもので、今の「ままごと遊び」です。
「上巳の節句」が三月三日に定まったのは、室町時代(約600年前)頃のこと。
そしてこの日が「女の子のお祭り」となるのは、戦国の世が終わり、世の中が平和になった江戸時代からのことです。
岩槻の人形づくりの歴史は、日光東照宮の造営と深い関わりがあります。
約370年前の寛永年間(1634年~1647年)三代将軍徳川家光公が、日光東照宮の造営に当たって全国から優れた工匠を集めたのです。
東照宮の造営や修築に携わった工匠達の中には、桐の産地だったこの土地に住み着き、桐を使って箪笥などを作ったり、人形づくりをする者もいて、その技術を広めたと言われています。
『新版風土記』によると、元禄10年(1697年)には、岩槻で病に倒れた京都堀川の仏師恵信が回復後もこの地に留まり、付近で産出される桐粉を「正麩糊(しょうふのり)」で練り固めて人形の頭を作り始めたと言われています。
こうして恵信の残した桐塑頭の技法は、藩の武士や農家の人々の内職・趣味・兼業等によってその後も受継がれ、幕末には岩槻藩の専売品に指定されるほど重要な産業となり、今日に受け継がれております。
平成19年3月9日、「江戸木目込人形」・「岩槻人形」は経済産業大臣から伝統的工芸品として指定され、生産量・生産額とも「人形作り日本一のまち」となっています。
そして今、時代のニーズに合わせ、職人達が新しい人形作りに挑んでいます。
小さい雛人形が最近の流行り!
一戸建てを持つよりも マンション住まいを選択する人が増え、 また、一戸建てであっても狭小住宅を構える人も多くなりました。
シンプルでコンパクトな暮らし自体をオシャレとする 若者の考え方もあって、そのことから、七段のお人形と比べて、小さな雛人形は豪華さでは負けますが、抜群の可愛らしさが人気で、小さな雛人形が選ばれています。
昨今、高齢出産が多いと言われていますが、逆に若いママも増ていて、若いママの好みの傾向としては、「コンパクト志向」が挙げられます。
段飾りなどは、仰々しく感じてしまう人も少なくないのでしょう。
片付けが簡単なのも魅力のひとつです。
1.BELL'S KISS「洋風ひな人形」(鈴木人形)
まさに今、ブームの「プリンセス雛人形」を制作している工房です。
宝石箱のようなピンクにリボンやハートが描かれたボードの上に、お揃いのピンク色の衣装を着たお内裏様とお雛様。
そのお顔に注目してみると、目元がぱっちりとした幼い表情と、長いまつげの美しいお顔立ちの美人顔。
お衣裳には、女の子の大好きなハートやレースをあしらったお着物をまとい、リボンを髪に飾っています。
プラス5000円でつけまつ毛が付けられるというオプションに、心動かされる若い世代のママさんたちが多いそうです。
2.雛人形の「minicola(みにこら)」
「minicola」は大正10年創業の、数少ない人形の老舗頭メーカーであり、日本で唯一の人形のガラス目製造メーカーです。
「minicola」には、
🌸mini:ミニ 小さい
🌸nico:ニコニコ 笑顔
🌸co :子、子供
🌸la :~ 達
「子供たちのニコニコした笑顔をいつまでも見守っていたい」、「お子様の健やかな成長と幸せを願う気持ち」という思いが込っています。
昨年(令和2年)2月22日、江戸時代の人形など約5000点を収蔵する「さいたま市岩槻人形博物館」が開館しました。
日本初の人形専門公立博物館です。
初日は地元の子供達がおひな様の衣装を着て歩く「おひな様パレード」が開かれました。
さいたま市岩槻人形博物館 埼玉県さいたま区本町6丁目1-1
*http://atmarymead235.seesaa.net/article/456858624.html より
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