「さんが焼き」
主な伝承地域 房総半島地域周辺
主な使用食材 アジもしくはサバ
歴史・由来・関連行事
房総半島周辺では昔からアジやイワシ、サンマなどがよく獲れた。漁師たちは獲れたての魚を不安定な船の上でも簡単に調理出来るということで、味噌といっしょに細かくたたき、「なめろう」という料理をつくった。あまりの美味しさに食べ終わったお皿までなめてしまうことからその名がつけられる。この「なめろう」を漁師は山へ仕事に行くときに、アワビのからに入れて持っていき、山小屋で蒸したり焼いたりして食べた。千葉の古い方言には、「○○の家」のことを、「○○が」という訛りがある。したがって山の家で食べた料理ということで「さんが焼き」と呼ぶようになる。
食習の機会や時季
アジは年中、出回っているが、産卵前の初夏が最も美味しくなる。
飲食方法
鉄板の上で「なめろう」だけを焼いたり、網の上でホタテやアワビの貝殻に「なめろう」を詰めて焼いたりする。「さんが焼き」をおいしくつくるコツは、「なめろう」をつくる際、十分に粘りを出すまでたたくこと。すると、柔らかくフンワリと焼き上り絶品の味となる。ご飯のおかずや酒肴として食される。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在では千葉県に限らず、広い地域で食べられ、居酒屋や魚料理屋などではよく見られるメニューになる。「南房総なめろう研究会」は、南房総の郷土料理として「なめろう」と「さんが焼き」を全国に広めるために2009年に立ち上げられる。意図に賛同したお店が、地元の人、そして観光で千葉県を訪れた人に「なめろう」を味わってもらえるよう、それぞれ工夫を凝らしたメニューを準備している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sanga_yaki_chiba.html より
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