「戦後日本外交の展開とスポーツ」
昨日、慶應義塾大学 三田キャンパスにて、2008年に向える創立150年!記念事業の一環として、「復活!慶応義塾の名講義」という企画があり、日米の野球の歴史にも精通し、新聞やテレビに登場することが多い名物教授、池井 優氏が登場しました。
大教室の中で、○○年ぶりに大学生気分が蘇った、超満員の聴衆。
ここで取り上げるのは、講演内容が「戦後日本外交の展開とスポーツ」ということに惹かれてのことです。
国民の関心も高く、その純粋なイメージから、スポーツと政治との関係は微妙です。
この関係を全体から、戦後日本外交へ視点を移し紹介した内容でした。
米キューバの野球による交流、米中が結びついた「ピンポン外交」なども有名ですが、スポーツが政治とミックスされた最大のケースは、ナチスがベルリンオリンピックを活用してナチスを世界にアピールした例といえるのではないでしょうか。
当初ヒトラーは開催に否定的だったそうですが、宣伝担当ゲッペルスの知恵から、当時ニューメディアだったテレビを引っ張り出し、かつ映画まで作って盛り上げたわけです。
話は飛ぶのですが、映画「コンタクト」で、地球外知的生命体との最初の返信な中でこのテレビ中継部分が使われた(くわしくは書きません)のが非常に印象的で、それくらい?上手な戦略だったわけです。
このケースが明確に示しているのが、スポーツと政治がからむことがはらむ危険性です。
20世紀から21世紀への重要な警鐘といえましょう。
ファシズムと結びついてしまったわけですから....
話は戻って、「日本におけるスポーツと政治」。
印象的だったところをいくつか。
戦後、アメリカの間接統治をうけ、武道の全面禁止、外来スポーツの奨励。
そして戦後最初に日本に勇気を与えたスポーツが、日本水泳。
フジヤマのトビウオの大活躍をきっかけに、ジャップ→ジャパニーズ、となったと。
日本国民はもちろん、アメリカの日系2世にも勇気を与えた日本街でのパレード。
その後、オリンピックが日本外交と大きくかかわってきます。
オリンピック招致の失敗~成功、そしてモスクワオリンピックでのボイコット。
最後に今後のスポーツの課題を2つ上げておられました。
1.にテロ対策
2.ドーピング問題。
池井先生の話は、近々スポーツ名言録系の本を出版することもあってかエピソード満載で、聴衆はおおいに満足して帰途についたようです。
ワンセグを通して、スポーツとメディアの今後の関係が気になる私としては、プロレスが街頭テレビをきっかけに大爆発した話、力道山のプロモーターとしての才能の話が印象的でした。
ワンセグの場合は、いろいろなスポーツが一気にのっていくので、特定のスポーツに集中するとは考えにくいですが、ワンセグの特性からいうと、そのスポーツが何時に開催されるかというのも影響要因とはなりますね。
興味津々で見守っていきたいと思います。
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