日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






実は「スペクター」鑑賞後、クレイグ 007失望 症候群に陥ってしまった。
あまりにガッカリしたので…
こんな自分に、喝!を入れてくれる作品を探していた。



そしてそれが見つかった!
4月2日に106歳で逝去したオリヴェイラ晩年の作品。
101歳のときの作品(!)「アンジェリカの微笑み」

その脚本は、彼自身が49歳のときに書いたもの。
さてどんな物語か。


オープニングで、ポルトガルの河沿いの街並みが映され、ショパンが流れるだけで、思った。
「あっ、この呼吸感、流石オリヴェイラ」
となると、物語にもすっと入っていける。
そうだよね~映画ってこういうものだよね…
(としみじみ想う)

主人公は、ユダヤ人年イザク(何とオリヴェイラの孫)
過去の自分自身が投影されているのは、ほぼ間違いないだろう!)
写真家である彼に、深夜に突然の撮影の依頼が舞い込む。
その依頼は、名家のお嬢さん アンジェリカ の亡くなった直後の遺影写真の撮影依頼だった。

親族が見守る中イザクは、長いすに横たわる アンジェリカ を撮影する。
ところが、その彼女がファインダーごしに、いきなり微笑みかける。
こうして彼は既に亡くなっている アンジェリカの虜 に陥ってしまったのだ!
そして…


主軸はこのようにイザクと アンジェリカの物語なのだけれど、いろいろな仕掛けがされている。
例えば、機械に取って代わられてしまう、ワイン畑の人による農作業の描写。
鳥カゴの文鳥そしてその突然の死、飼い猫、そして金魚と金魚鉢などの小道具。
そこから浮かび上がってくるのは、「物事の移ろいのはかなさ」
或いは、「目に見えない世界を信じる」(by 水木しげる 合掌)
なぜオリヴェイラが101歳の老境で、今作を仕上げたかったかが伝わってくる。


鑑賞後は、失望 症候群から立ち直り、またイチ映画ファンとして立ち直った自分を発見。
老いたクラウディアを見たくなくてパスしていた「家族の灯り」とかをチェックするかなー




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