NYの音楽発信地といえば、カーネギーホール か MET。
57丁目に鎮座する老舗のカーネギーホールは単館。
一方 MET は オペラ・クラシック・バレエ そして ジュリアード が広大なエリアに一挙に(62〜66丁目)
どうやってこんなセントラルパークの隣にこれだけの土地を確保したんだろう? と誰でも思う(違う?)
そのギモンに答えるのが、このドキュメンタリー!
冒頭、ドナルド・キーンが登場し、MET(メトロポリタン歌劇場)への想いを語る。
(この部分は日本製作だと思われる)
聞いているとわかるのだが、METは1964年までは、39丁目にあったのだ!
この39丁目 → 62〜66丁目 への移転が実現するまでの苦労を追ったドキュメントがコレ。
MET総裁のルドルフ・ビングも就任直後から「移転は不可欠」と語るが、計画は何度も頓挫した。
旧劇場の問題点はざっと、
・劇場内には「柱」が何箇所があり、その背後の約700席!は何も見えない
・舞台裏が狭く、稽古場は食堂やトイレ?で
・掃けたセットは、雨だろうが嵐だろうが、裏通りにまず出され、そこから移送。
ところが神風が吹く。
登場するのが、NY市の豪腕 権力者、ロバート・モーゼズ。
NY市の都市計画の思惑も絡み、スラム街の人たちを立ち退かせ(汗)、事態は急進する。
さらに立役者として、個性的な建築家たちをまとめる役割を担った、W・ハリソン
巨額の資金が必要だとわかり抜擢された人物は、大富豪ロックフェラー!
当ブログ的に刺さった秘話あるいは秘蔵映像は例えば、
・旧劇場のお別れ公演での「蛍の光」合唱!
・劇場左右に展示されているシャガールの壁画がそこにあるワケ
・METの象徴のひとつとも言える、昇降式のシャンデリア の誕生秘話、に驚愕!
・そしてオープニング直前に発生する、ステージ上のクライマックスでのトラブル(汗)
名演出家ゼフィレッリ の奮闘が映像で残っているとは!
結論:MET を語ろうとするなら、まずは必見のドキュメンタリー!