
今春、SONPO美術館ではじまった モンドリアン展。
日本では久しぶり(23年ぶり?)のモンドリアン個展、だそう。
展示は彼の初期のハーグ派様式の風景画 → 神智学に傾倒 → キュビズム → スタイル確立、の流れ。
自分のスタイルを確立する前の模索を知ることができる。
当ブログが注目してしまうのは、やはりどうしても スタイル確立期。
モンドリアンと同時代の作家たちによる 新造形主義作品 群(デ・ステイル 時代)の展示直後にある。
このため、その時代の 新造形主義 の動向を理解した上で、彼の スタイル確立期 と向き合えるのだ!
で個展ならではの気づきが大きく2つあって衝撃!!!
衝撃(1)
スタイル確立期は「黒いライン」が特徴で、タテヨコに空間を区分けしている。
この「黒いライン」が、途中までで「途切れている」作品 がある!(写真)
衝撃(2)
スタイル確立期の作品群には、全て周囲に「段差」があった!
(絵の外周が、ベースカラーあるいは外側の色の敷かれた段差、で構成)
実際に目の前で鑑賞しなければ、絶対わからないレベルの話!
この「段差」の幅が「黒いライン」とほぼ等しい。
このためこの手法が、何らかの「錯覚」を生じさせる仕掛け、のように感じた、
2つばかり作品の解説を引用。
「赤、青、黒、黄、灰色のコンポジション 52」
色ね平面が周辺に配置されることで、外向きの拡張を示すと同時に、その拡張を抑制してもいる。
つまり、大きな平面の隣にある青い部分は平面とも線とも見受けられるのだ。
「線と色々のコンポジション 54 1937」
線を二重にし、1930年半ばまでに線を複数にする事で、平面を「破壊」しようとした。
この作品は、それに続いて生まれた、新たなりずむを表す最も明らかな例のひとつであり、
ジャズ音楽から着想を得たものである。
その直前にみた、
佐藤 可士和 展:国立新美術館 現代の企業デザイン界の寵児の過去・現在・未来?作品がここに集結。
も実はその 気づき に影響を与えている!
1世紀のうちにテクノロジーの進化で「映像」を気軽に操れるようになった。
もしモンドリアンが現代にいたなら間違いなく、動かしていただろう。
彼の特徴である「黒ライン」を。
1世紀以上が経過し結びつく? この2人(笑)