Airbnb は、一度だけ使ったことがある。
NY →シカゴ→ NY と移動した時に、NYへ戻った数泊で利用してみた。
web上では家を所有する人物がいて、炊き出しのボランティアも行なっているという。
これを手伝うと宿泊費を割り引く、という話だったので、どんな人物か会うのを楽しみにしていた。
ところが到着してみると、その本人は居らず(ていうか一度も会うことなく、終了)
そのアパートの一室は実に変わった構造で、部屋の中にまた、家というか小屋が建っている(笑)
一畳ほどのベッドだけの小部屋が20ほど、という不思議な構造。
どう見ても、消防法とか絶対無視してるな、と(笑)
マジソンスクエア・ガーデンに近く便利なロケーションだったが、2度と泊まるつもりはない。
(予算をケチり過ぎたこともそんな状況に陥った大きな理由のひとつ、ではあるが)
この本を読んでいくと、このへんの背景がリアルに登場する。
まず理解したのは、Airbnb にとって New York は立ち上げ時に重要な転機を生んだ都市。
一方で、私の体験の延長上にある問題点が New York で注目され、現在 Airbnb の立ち位置を揺るがしかねない問題にある。
このへんは後ほどゆっくりと...
このサービスの最初の発想 =「コンベンションの時って、需要が多すぎてエリアが対応できてないね」
「じゃ、その期間だけの民泊はあり」と考えたのが、ブライアン・チェスキー、ジョー・ゲッビアの2人。
2人は元々、そういうアイデアの種を発想することに喜びを見出していた。
まずは自分の部屋から実験開始!
たまたまあったエアマットから「エアベッド & ブレックファースト」(朝食つき)という名でサイト制作。
何度かの失敗を繰り返す一方、重要な人物との出会いが。
その人物は、既に成功していた企業家の相談役だったマイケル・サイベル。
彼が紹介した資本家は、チームが3度目の正直、民主党党大会狙いで仕掛けた奇怪な企画を知り投資を決める。
奇怪な企画とは = 既成のシリアルのパッケージを変えて高く売ろうとした、オバマシリアル!
投資者のコメント「君たちゴキブリみたいだな。絶対に死なない」(笑)
そしてサイベルにその成功を報告する2人にサイベルは聞く。
「ユーザーはどこにいるんだ?」
2人「ほとんどがNYです」
「こんなところ(サンフランシスコ)で何をぐずぐずしてるんだ?!」
で2人は3か月間毎週末NYへ飛び、ホスト・ユーザーについての大事な知見を貯めていく。
ここで重要な気付きポイントが。
一緒にプロのカメラマンを同行させ、きれいな写真にすることで、双方にとってメリットがあったのだ!
暫くは引き気味だったwebデザイナーのネイサン・ブレチャージクも本気になり、画期的なグロースハックを実現。
こうして成功の道を歩み始める。何と9年間で3兆円企業に!
とはいえ、一気に人を採用しながら世界に出ていく状況の中、こんなコメントも。
「起業は、崖から飛び降りて、落ちながら飛行機を組み立てるようなもの」(笑)
そして成長に伴い、ダークサイドも持ち上がってくる。
全てのホスト、全てのユーザーがいい人であるわけもなく、数の増大に伴い、目についてくる。
それらは悪い意味で多岐に渡り、犯罪・破壊・暴力事件 さらに人種差別も...
そして冒頭のパートに(第5章 アンチとの闘い)
個人的に部屋を貸し出す、が Airbnb の大事な原則。
ところが、住んでもいない部屋を借り、貸し出す「プロホスト」が多く存在していたことがわかり、バトルが始まる。
この業態を敵視し始めたホテル業界を中心に、NY州で2010年から続く法廷闘争に発展している!
今日出たニュースにも、その争いが登場。
ニューヨーク市ホテル協会が、抗議テレビCMの放送を7/31日から開始。
テロ事件の犯人がAirbnbを利用していたと告発する内容!
超人気サービスになったがゆえの闘いがこのサービスが誕生したNYで起こっているわけ。
というわけで、
結論:大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法、はNYに始まり、NYで闘争中。
New York は人種のみならず、ニュービジネスでも究極のメルティング・ポット(そこが結論かよ! 笑)