「捩れた花」という意味でしょう。この写真では、小さな花が右回りに捩れています。モジズリ(捩摺)とも言うそうです。畑沢では「ネジッパナ」と呼んでいたようですが、私はその名前には全く記憶がありません。それでも、ピンクの小さな花は覚えています。小学校2年生から牛に餌をやってから学校へ行っていましたので、夏は父が刈った草を集めに行きました。その時、まだ草刈りをしていない田んぼのあぜ道に、ぽつんぽつんとピンク色が見えました。昔はどこにもある植物です。私には、ただの「草」でしかありませんでした。ところが、ある職場での同僚に、野生蘭愛好家がいました。感化を受けやすい私も欄に興味を抱いて、ネジバナを知ることになりました。
今は、畑沢でも大変に珍しくなっています。原因は、草刈りをあまりしなくなったことかと思います。ネジバナは背丈の短い植物ですので、元気よく大きくなる他の草に負けてしまうようです。定期的に草刈りをすることによって、他の草は葉の大半を刈られてしまいますが、ネジバナは背丈は小さいので、葉の大半は刈られずに温存されています。しかも、根に栄養を貯めていますので、草刈りのダメージが少なくて、立ち直りが早くできます。他の草との関係において、草刈りがネジバナに有利に働いていました。
ところで、このネジバナは右巻きですが、左巻きもあるそうです。私をかなりの「つむじ曲がり」、「へそ曲がり」と妻が言いますが、さすがに「左巻き」とは言わないようです。私は左巻きの一歩手前で踏みとどまっています。