畑沢では、盆花(ぼんばな)と呼んでいました。お盆の時に墓や仏壇に飾っていました。過去形で表現しているのは、現在はほとんど見ることができなくなったからです。昔は、沢沿いに咲いていたのですが、沢の田んぼを耕作しなくなったので、雑草が生い茂って盆花が負けてしまったことと、沢そのものへ入ることができなくなっているからです。それでも完全になくなっている訳ではありません。丹念に見ていくと、まだ湿地にはポツリポツリと咲いています。 この写真の花は、背炙り峠に向かう道の脇に咲いていました。水が少し浸みだしている湿った場所です。畑沢から少し離れますが、徳良湖の水辺には群生が見られます。
ミソハギは、禊(みそぎ)の萩(はぎ)という意味だそうです。まさに、名前からして神聖な花ですので、先祖に供えるにはもってこいの花です。昔は、お盆の墓参りに行くために、その日の早い時間帯に、この花など野に咲いている花を採りに行くのが子供たちの仕事でした。他の種類の花も採っていたのですが、思い出せません。それほどまでに、ミソハギは強烈なお盆の思い出です。