アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

日航再建のモデルは西郷どんでしょう

2010年07月14日 | Weblog
 二人で「心中」を実行したが、一人だけ生き残ってしまった。めったにないが、あるにはあることです。そこで西郷隆盛…。月照さんと錦江湾に身を投げ心中…。月照さんは亡くなったが、西郷どんは蘇生してしまった。
 「心中」・・・「情死」「一家心中」「無理心中」「ネット心中」の4ジャンルに分けられる(一家心中は無理心中だが、そのジャンルに含めるのは寂しすぎるので分けました)。西郷どんは、男。月照さんも男なので、「情死」ではない…。無理心中ということか…。

 無理心中で生き残ってしまった西郷どん、心中察するにあまりあります。この試練が、西郷隆盛を偉大な人物にした。試練を経験することが、人を大きく成長させる…。西郷どんの場合、二度も島流しにされました。そのような逆境の中でも、東洋古典を読みふけるなど、自分を高める努力を怠らなかったという。苦難を糧として自分を磨く努力を続けた。努力は花開き、明治維新の立役者となった。

 このタイミングでは、「西郷ではなく龍馬だろう」って?日航再建の稲森和夫さんは、鹿児島出身なので…。
 日航の再建を託され会長になった稲森さんは、「日航」という会社についてかなりあきれている様子。「ANAなら1日で経営トップに届く情報が、JALでは1週間かかる」という。30年前ならそういう会社がたくさんありました。日航が、旧態依然の会社だった…それなら、潰れるのも道理。
 アメーバ経営については、今すぐには全然無理。何年か頑張って経営者を育てられるとアメーバ経営も出来ると思うが…。ひとりひとりの社員が主役という状況はしばらくは無理の様子。

 (旧)日航幹部が、会社更生法適用を申請し前原誠司国土交通相と会ったときのこと…大臣が入室してきたので、日航(旧)幹部が起立した。しかし、一人だけ起立しなかった。横の人に起立を促され、渋々起立した。この人物が西松遙前社長でした。この一件が、「稲森さんがあきれる会社」であったことを如実に物語っていると思います。トップが「礼」というものを知らない。
 「ANAなら1日で届く情報が、JALでは1週間かかる?…そんなことどーでもいい…」この30数年、歴代社長が皆そういうレベルだったということでしょう。

 稲森さんは、郷土の英雄西郷隆盛を尊敬しておられる。「試練は人を成長させる」という考え。
 稲森さんの主張に、「成功も試練」というものがある。成功した結果、「驕り高ぶり、財に溺れ、努力を怠る」か、「さらに高い目標を掲げ、謙虚に努力を重ねる」か…どちらの道を取るかによって、その後は天国と地獄ほどに変わっていく…
 正しく、日航は飛ぶ鳥をバンバン落とす成功を収めた時期があった。その成功が試練であることに気づかず、驕り高ぶり、財に溺れ、努力を怠たってきた。

 日航は、いまや試練の真っ直中…稲森会長は、「日航を西郷隆盛にしよう」と考えているはず。
 逆境の中でも自らを磨き、人格を高めるべくひたむきに努力する。日航再建としては、遠回りのようですが、必ず良い結果が出る…。