アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

名誉ある撤退が可能な妥協点…探れないよなぁ

2013年10月10日 | Weblog
 「エズラ・F・ヴォーゲル」…日本人には馴染みの名前。しかも、「たいへん、いい印象」。それもそのはず、ベストセラーになった、「ジャパン・アズ・ナンバーワン(1979年)」の著者。
 タイトルが、日本人の愛国心というか自尊心というかを満足させるもの。
 内容は、「日本の経済規模が世界一」ということではありません。「米国は日本の競争力がなぜ強いのか理解し、日本から学ぶべきだ」と、いうものでした。

 その、ヴォーゲルさんが、10年をかけて著した、「Deng Xiaoping and the Transformation of China」の日本語版「小平 現代中国の父」が出版されました。
 だからどうしたって?ヴォーゲルさんが、日本語も堪能、中国語も堪能ということを言いたかったんです。頭がいいんですねぇ。

 そんなヴォーゲルさんですから、昨年9月の尖閣諸島国有化によって、(1972年の国交正常化後で最悪といわれるまで)冷え込んだ日中関係に心をいためておられる。
 で、日中両国への提言…

 1 尖閣問題で、名誉ある撤退が可能な妥協点を探り、平和解決を図る。
 2 日本の指導者たちは靖国神社を参拝しない(村山談話を確認)。
 3 中国は領土争いで武力圧力を用いない。
 4 日中の指導者は、頻繁で包括的な協議を行う。
 5 日本は近現代史教育を充実させる。
 6 中国は日本への敵意をあおる文化宣伝を停止する。

 それぞれについて申し上げたい意見はあるが…とにかく、私とて日中関係を良くしたいですから、素晴らしい提言とします。問題は、日中の指導者たちがヴォーゲルさんの期待に添えるよう努力するかどうか…?ヴォーゲルさんを知らなかったりして。