アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

記憶と思い出は違う…それがどうした!?

2021年01月13日 | Weblog
 この10か月の間に、5度の入退院。この忌まわしい記憶、とっとと忘れたいけど…思い出として記憶されていくのでしょうか?なぬ?「記憶と思い出では、違うものと考えているのか」って?
 明確な線引きなどできないでしょうが、アンティークマンの認知心理学からいきますと、別なものだと考えます。久々に出ました!心理学の大家!大過ではありません。

 一般的には…
 「記憶」・・・体験したことや覚えたことを心にとめておくこと。
 「思い出」・・・体験したことを心に浮かべること。多くは、その当時の感情が伴う。
 う~ん、この説明では、「記憶」と「思い出」は同じもののような。

 だいぶ前ですが、「すべてがFになる(森博嗣)」というミステリー小説がありまして、その小説に、「記憶と思い出について」の登場人物の会話がありまして…
 「思い出は良いことばかり、記憶は嫌なことばかりだわ」
 「そんなことはないよ。嫌な思い出も、美しい記憶もある」
 「じゃあ、違いは何です?」
 「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」
 (中略)
 「人の記憶の中に散逸する出来事や風景の断片はいずれ昇華(しょうか)され、完結の記憶となる。思い出となるには時が必要というわけか」
 ここで「昇華」が出てくるとは!なぬ?「中華料理屋か」って?そ、その昇華ではありません。「ドライアイスが液体を経ないで、直接気体になることだろ」って?その通りですが、記憶と思い出に係わる昇華は、心理学用語の「昇華」でしょう。
  「物事が一段上の状態に高められること」。使い方ですかぁ・・・「アンティークマンの狂気とも思えるブログへの執念が芸術に昇華される」と、まあこんな感じ。

  閑話休題。私なりに整理しますと…
 実話なんですが、アマチュア無線技師の試験を受けるに当たって、私は過去問を暗記しました。その記憶は…記憶ですよね(意味記憶)。「思い出」とはいわない。
 試験当日、会場で会話した受験者に理数系の教員がおられました。彼は自信満々で「過去問を暗記したの?そんなことしなくても簡単でしょ!」と言っていた。後日、合否結果情報を得て、失礼ながら「クスッ!」と、笑いました。過去問暗記の私は、合格。理数系教員は不合格でした。…これは思い出ですよね(エピソード記憶)。

  「記憶が昇華されて思い出になる」については、その通りでいいのかって?昇華できる記憶は、思い出になるかもね。
 昇華する前になくなっちゃう記憶は…「忘れ去られてしまっている」ということですから、「記憶だ、思い出だ」という土俵に上がってすらこられない。

 ブログ、少しお休みさせていただきます。本日これから入院です。この度は、手の手術です。