「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20120506(その2)

2012-05-06 | 矮小布団圧縮袋

○(若松の近代化遺産を歩く・その3)「生活空間」とつながって存在している以上、経費や当地の便宜上で解体される可能性や、使用されず廃墟化する可能性があったりもすることを、今回の若松の散歩をしながら度々感じた。
 南海岸から先の北浜の工場地帯に行くと旧日華油脂若松工場(現・J-オイルミルズ若松工場)の事務所棟[昭和16年(1941)頃]がある。(キイロイトリが前を通っている)塀や玄関がモダンな不思議な形。しかし鉄筋コンクリートにせよ壁の色合いの渋さが他の工場建築と違うので、遠くの歩道から見て「あれかな」と思ったらやっぱりそうだった。(なお、この近くには工場の「労働組合」事務所のような木造の非常に古めかしい建物もあった。)

  
 反対側から見ると→


 (福岡県内の近代化遺産の本などで有名な)煉瓦壁の続く工場の棟は昨年解体されたらしく、周辺を歩いていて、工場の一角に煉瓦壁の面影を少しだけ偲ぶ。
 実用に応じてこうした展開になるところが、実際に産業的な用途の建築物である所以であり、産業遺産だの歴史的建造物だのとは言っても、どうも寺院などとは扱いが違うもののようだ。
 
 

 北浜方面の岸から再び若戸大橋側を望む。釣り人もいる。かなり日射が強くなってきた。今日半日歩いただけで焼けそうだな。
 (つづく)

BGM:
The Chosen One / Bryan Ferry (「Boys and Girls」)(20120506追記)


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20120506

2012-05-06 | 矮小布団圧縮袋


○(若松の近代化遺産を歩く・その2)
 若松の近代化遺産の代表的建築の一つが、若松渡船場のすぐ前の上野ビル(上野海運、旧三菱合資会社若松支店)[大正2年(1913)] である。

 

  

  


 裏側、通用口、倉庫、壁面にせよ、外のどの方向から見ても、経年を感じさせる美を湛えた煉瓦造の存在感が、そこに訪れた者の想像力を激しくかきたてる(頭の中にいろいろなことが渦を巻いて流れ出て、別にサイコメトラーではないのだが、歩みを止めてしばし休まないといけないほどである)。 
 
 数年前から近代洋館を歩いているうちに非常にわかってきたこととして、たとえばハウステンボス等で新しく設置された「古い洋館風の建築物」には、この本当の「経年」の迫力はない。しかしその迫力は、門司港駅やこの上野ビルなどの建物には(あるいは若松の本町の界隈など一帯には)ある。壁や土や内装から滲む「気」そのものが違うのだ。

 驚くべきことにこのビルは「現役」オフィスビルであり、内部のテナントには事務所がいくつか入っていて、一部には雑貨店や、喫茶店もある。中の階段や吹抜が独特の雰囲気を醸し出していて心打たれる。建築された当時も人々は圧倒されたのではなかろうか。

    
 
  


 3FのAsa Cafeは、この洋館の内装&立地とも非常によく生かしたカフェで、しばしチョコレートケーキで休憩するたれぱんだである。

 

 キイロイトリが窓から眺めている眺望はこちら。離れがたく、つい時間を忘れて過ごしてしまう。静かだ。(つづく)



BGM: More than A Feeling / Boston (「幻想飛行」)(20120506追記)
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