○(若松の近代化遺産をお散歩・その8拾遺)
(つづき)街中を歩いていると、様々な古い民家や店舗などに遭遇することが多い。年代は不明だが、「自分が子供の頃の町の景色にあった建物に似ている」ものは、昭和らしく感じられる。何を隠そう、自分の実家(生家)は昭和3年築の木造平屋建てだった(※20年前に既に改築されていて、今の家は当時の建物ではない)。だから商店街内にある「防火用手押しポンプ」なんかも、うちの庭にもあったから使って井戸水をくんでたこともあるし覚えているのだ。この手の建物を見巡っていると、何か時々夢で見る(もしかすると過去の記憶の続きの)空間の延長上のようでもある。
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当日午後、若松バンド付近のカフェ・ねこのじにてティーオレで3時の休憩をするキイロイトリとむすび丸である。この中も、シンプルで気取らないがほっとしておちつくインテリアだった。ここも窓が港に面していて、祝日だからか混んでいたけれど、一瞬お客さんが抜けた時に:
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本日のBGM:
新宿25時 / 香山美子 作曲:鏑木創
※映画「殺すまで追え 新宿25時」(松竹、1969)挿入歌 (チャンネルNECO、5/14 6:00~)
脚本が宮川一郎と長谷和夫(監督)で音楽が鏑木創というと土曜ワイド・江戸川乱歩美女シリーズの流れかと思ったがハードボイルド復讐内部告発刑事ダーティハリー物のミステリーサスペンスである(米国映画の邦画リメイク版らしいのだが、最後になるとどんどん地獄の左門か剣の旦那みたいにダブルオー化していく話)。
この「アランドロンの暗黒街物映画みたいな帽子とコートで煙草」というのは昭和一桁世代の正装?らしく、うちの父もお出かけ時はこういう格好だった(昭和60年代までこの格好をしていた)から、ああ、天知茂ってうちのお父さんくらいなのね、としみじみ思うのである(あの「パパだいきらい!」のジュンちゃんは自分のお姉ちゃんくらいな感じか。ああいう「ぽぽちゃん人形のレトロ版」みたいなやつ、うちにもあったような気がする…)。そんな室内の設えといい、川津祐介と追跡劇を展開するロケ当時のごみごみした新宿といい海岸といい、キイハンターにもウルトラセブンにも出てくる「当時」のモードがそこにある。
若い後輩刑事の役が新人・広川太一郎(声ですぐわかる)なのも渋いが、ちなみに高野真二さんは現代劇でも時代劇でも「こういう役」が多いのである(^^;)。そして全編、非常に渋いカメラカットとクールな鏑木創の音楽でフィルムノワールな雰囲気満々(このモダンなオープニングテーマもかっこいいし、カーチェイスの時はやっぱりこの「明智先生みたいな」音楽^^がわくわくものだ)。
そんな中、青江三奈の主題曲&挿入歌の「新宿サタデー・ナイト」がナイトクラブの歌として抜群の「しゅびどぅば~」の安定力を誇るのはもちろん、それに劣らずどころかそれ以上にかなり衝撃的なのが「新宿25時」。ロックンロールで憑かれたように歌い踊る香山美子(!)の歌のパンチ力に唖然(笑)この劇中歌は必聴。
※子供心には「オロナイン軟膏」とか「銭形平次の奥さんのお静さん」のおちついたイメージだったのだが…香山さんが「リカちゃん人形のモデル」という説ってこういうファッショナブルなところからかも、とこの映画を見て改めて思った。(20120514)
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※「偽装停電」とは?