○「平清盛」第19回「鳥羽院の遺言」で「清盛が上皇と法皇を取り持とうとした理由」がドラマで不明だ、と書いたのだが、ただ単に中学校の学級委員みたいな同情的な正義感ぽい理由を並べるのではなくて、「池禅尼が重仁親王の乳母」(←忠正への耳打ちも、そういう示唆と勘繰れるし)とか「歌人の忠盛が崇徳上皇歌壇の人で過去の恩が深い」とか「清盛の姉(か妹)=忠盛娘の、姑が崇徳上皇の乳母」とかいった上皇側との政治的関係も浅くなかった平氏の状況を清盛が考慮して「上皇に味方するかしないか」決断に時間がかかる、みたいな要素をもう少しドラマに織り込めばいいのにと思う。(検索していたらブログなどで同様の指摘をしている人も結構いた。)通常大河ドラマというと吉川英治とか池端俊策とかジェームス三木とかならそういう要所は何かの台詞や描写や表現でぴちっと簡潔に(だらだら説明せず、かつ、きちっと)はずさずに押さえそうな気がする。そういうのがないと、最後に抜刀してまで(?)棟梁が決断せねばならぬ必然性が伝わりにくい。もしかして、そういうシーンが実はあって収録されてはいたのにそれが尺の都合上編集で無残にカットされていた、というのだったら、あまりにもオンエアの清盛が大人げない人物に映ってしまって気の毒ではあるけれど。頼長なり信西なり信頼なり後白河なりがブラックなのは当然として、義朝も手を汚した時点で清盛だけが善人というのは今後の展開からしてありえないと思うので、主人公の無理な純真化善人化(※近年の「スイーツ大河」とか言われる幾つかの作で指摘される欠点)で破綻するより、第三者含む駆け引きや社会的関係性を描いてほしい。「太平記」の尊氏も「草燃える」の頼朝も義時も、武田信玄も毛利元就も決して「善い人ではない」し、「風と雲と虹と」の将門は善い人そうでいながら直情すぎて逆賊になる悲運な面も、それらを含めて主人公の「棟梁」は「清濁合わせ呑み、肚をくくる」度量を持っていないとつとまらなかったはずだから。小市民だとできないのよ。

(冒頭の写真は先日の、公園をお散歩するたれぱんだである。こうして撮るとすっごい山奥な感じがするが…)
本日のBGM:
源平合戦・宿命のライバルの原点を追う(NHK総合 5/15 22:00~)
番宣だと思う。ちょっとまて、いや、保元の乱以前に、もっと前から因縁あるから。平正盛(中村敦夫)が源義親討ってるから。って、小日向さん(為義)も言ってたでしょ。
タイムスクープハンター4「走れ!散髪ポリス」(22:55~)
明治6年、新潟県だそうだ(爆)反新政府側って旧長岡藩士だったり?(20120515)

※「偽装停電」とは?