○東京に来て、早速JR有楽町駅で下車。そして皇居側の方には向かわずに、まずは数寄屋橋交差点の方角へ出る。春分の日の頃といえば昔1995年、盛岡市内を買物中に街頭のテレビ画面で東京の地下鉄の異変の事件をリアルタイムで知って戦慄した時のあの気候の時分のはずだ。しかし今、この暦ながら銀座では、既に桜が咲き出している。昼間は福岡より気温が高いのではなかろうか?という位の暖かさ。
だが、せっかくこの時期に東京に来たのなら、ここは3月の期間限定の「デヴィッド・ボウイ・カフェ」に行っとくべきだろう!ということで、交差点の向かい側のソニービル1Fのパブ・カーディナルへ行ってみる。
「オオ。ホントネ♪」キイロイトリもびっくりさ(笑)ドアの前にも新譜「The Next Day」のジャケットデザインが示されている。twitterやblogなど下調べに一覧してみて察するところ、休日などえらい行列ができていて大変らしい、と聞いていた。だが幸運にも、今回来てみた時刻がランチタイムでもなく、ちょうど夕方のディナータイムより少し前であったおかげか、店前の空き待ちの行列も、ちょうどその時にタイミングよく数名しかなかった。そこで、こっちも好奇心で少し並んでみて、番が来て入店。
この店内の内装自体が1966年開店の、ヴィクトリアン調の設えが実際に英国のパブ風ということで知られているのだが、やはりフェア中ということで非常に混んでいる中、とにかくDavid Bowieの歌が流れまくるcafe、という不思議な空間である。見回すと男性女性半々位か?日本人だけでなく外国人の方もちらほら、家族連れやご夫婦風や、男性だけ女性だけ等の連れのテーブル以外にも、単独一人でランチぽいのを黙々と味わっているビジネスマン風の方もあちこちいる。気取ってもおらず自然にエレガントに、それぞれが好き好きに、ほんとに普通に気ままなブリティッシュパブの使い方がされているんだなと感じる。
黒板に書かれているのは、デヴィッド・ボウイ先生も好きという?シェパーズパイセットらしく、見回すとそれらしき品を頼んでいる人も結構いる。ここはせっかくなので雰囲気を味わいつつ何かいただいて行きたいところだが、混んでるのと料理を頼むと時間がかかりそうなこともあり、こちらは正直、夕方6時前までしか時間がない。そこで
「キルケニーをハーフパイント」でお願いする(駆けつけ三杯、は無理だからまず一杯ね。モース警部やルイス警部みたいに「a pint」って頼んでみたいような気もしたが、お腹がたぷたぷしそうだから遠慮した><)。さすがブリティッシュパブで出してくれるエールで(※自分も好みでいうと、ラガーよりエールが好きだし)、きめ細かな泡とまろやかなよい香り、これがとても旨くて、おつまみなしの夕方でやや空きかけた腹にしみる(笑)。猛暑時の生ジョッキじゃあるまいし、ちびちびと味わって静かに飲むべかりけるところだ。というのに、美味ゆえに結構ついつい「すぐ、するすると入ってしまう」のが気持ち良い(おっと、いけないw)。
「♪♪♪♪♪~」ほどよく回って千鳥足?のキイロイトリの愉悦。そいでもって、いぶし銀みたいなValentine's Dayだのの新アルバムの曲のみならずScary MonstersとかStayとかもが、がんがんBGMで流れている店内でいただくのは楽しいっすね。もちろん店内にはジャケット展示や写真展示のみならず、David Bowie関連文献が閲覧できたりとか。こういう○○カフェとかいう趣向はこういう風な感覚なのだな(ラルカフェってやつは、期間が短すぎて一度も入ったことないし)。逆に、「漁火食堂」「北の家族」なんかのネーミングセンスの店で大漁旗とか飾られてて北島三郎や吉幾三が流れている中、寒い所の季節の旨い魚を肴に鬼ごろしや田酒をちびちび味わうようなトラディショナルなやつ、をふと思い出してみたりする。(東西は違えど大人の愉しみだ。)
その後、ニュースで見たらこのカフェ企画、大好評につき3月末まで期間延長とか。この空間とサービスの雰囲気なら20世紀風(昭和50年頃風?)なアナログの余裕の懐かしさがスムーズに今の2013年にもつながっていて、軽々しくなく明るすぎず、しっとり大人らしい喫茶やランチや夕食でリーズナブルにくつろげるから、期間後も普通にまた機会があれば(※なかなか銀座までは遠いし、めったに来ないがw)来たい。所謂ブリティッシュパブスタイルの店なら、食事やエールで何を頼んだらいいのか等の名前やらも少しずつわかってきたので(※昼ごはんでモース警部だのイギリスの人が来てて飲んでたりするのを話に聞いて最初驚いたが、考えてみると普通にこういう感じで「パブランチ」っていうのね)、各地のこの手の趣の場所があったら覗いて楽しんでみたくなった。
…てな感じで「まだ日が沈んでないのにちょいと一杯ひっかけて」の状態でふわふわと、そのまま歩いて帝国劇場へ向かったのだった!(それが問題だ・爆)。いやー、いいぞ、これ(笑)。(20130322)