曽村保信著『地政学入門―外交戦略の政治学』。この領域、政治地理学というべきか、マクロにみた世界史像というべきか。
本書では、地政学の成立史とその学問形成の背景を対談風に述べる。
イギリスの生んだマッキンガーが、「シーパワー」と「ランドパワー」の見方をしめす。海洋国と大陸国、情報収集で広範にして進歩的な海洋国、ドイツ・ロシアなど海上交通で国際的なひろがりよりも伝統的・権威的な大陸派の対比をこころみる。
ドイツのうんだハウスフォーヘン。第一次大戦前後の時期に、東アジア、とりわけ日本の国勢に着目。「理想化」しすぎたとの地域観ながら、のちに枢軸国の一員となる伏流水を読み解く感がある。
ロシアの地政学と言うのもある。現代、地政学は地域振興のキーワードの感があるが、ここで論じられているのは第二次大戦に至る連合国、枢軸国体制の枠組みせつめいということ、か。
このように読んできたとき、世界の火薬庫というか、世界のオイルマネーがあつまるとして注目をあつめる中近東への視座がないのは、少し残念ということにもなる、が。しかし、それはあまりに直近の地政学を求めすぎるということになるのであろうか。
本書では、地政学の成立史とその学問形成の背景を対談風に述べる。
イギリスの生んだマッキンガーが、「シーパワー」と「ランドパワー」の見方をしめす。海洋国と大陸国、情報収集で広範にして進歩的な海洋国、ドイツ・ロシアなど海上交通で国際的なひろがりよりも伝統的・権威的な大陸派の対比をこころみる。
ドイツのうんだハウスフォーヘン。第一次大戦前後の時期に、東アジア、とりわけ日本の国勢に着目。「理想化」しすぎたとの地域観ながら、のちに枢軸国の一員となる伏流水を読み解く感がある。
ロシアの地政学と言うのもある。現代、地政学は地域振興のキーワードの感があるが、ここで論じられているのは第二次大戦に至る連合国、枢軸国体制の枠組みせつめいということ、か。
このように読んできたとき、世界の火薬庫というか、世界のオイルマネーがあつまるとして注目をあつめる中近東への視座がないのは、少し残念ということにもなる、が。しかし、それはあまりに直近の地政学を求めすぎるということになるのであろうか。