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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

長幸男著『昭和恐慌』

2012年03月20日 16時39分54秒 | Weblog
 長幸男著『昭和恐慌』。冒頭は、小沼正が暴徒となって井上準之助を暗殺するところから、始まる。

 なぜ、そうなのかは昭和恐慌の広がりのなかに、井上準之助が「金輸出解禁」の施策とともに、実はキーマンであったことを示している。

 「金解禁」。この用語は歴史の教科書に登場するが、実は理解の難しい教科書内での位置づけであったとの、思いがある。大正6年に我が国政府が選んだ「金輸出禁止」のことがあまり説明されずに、いきなり浜口内閣が昭和5年1月に金解禁したとあるもので、「それって、どんなこと?」の思いを抱いてきたが。

 本書でそこのところの説明があるのだが、前半はさまざまな経済論説が引用されるため、なかなか難読である。

 ようやく半ばをすぎて、政友会の支持基盤=本州の地主勢力、英米にはるかに遅れて金輸出解禁が実行できない本邦政府、多額の借款処理期限が迫っているのに貨幣の新旧移管をするには浜口政権が少数与党であるため平価切り替えの法改正ができない事情。

 さらには、農業恐慌がしだいに緒についてほどない工業社会に影響を及ぼしてゆく図式。少しずつ、目の前のウロコが取り除かれてゆく、思い。

 昭和49年版。早くから読みたいと買い求めながら、なかなか開くことができなかった。時代の趨勢が難解な書を、読ませてくれているのかも知れない。
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天皇 神秘性と権威

2012年03月20日 06時59分17秒 | Weblog
 天皇 神秘性と権威。天武天皇の時代に確立と「さかのぼり 日本史」。

 「大王(おおきみ)」は「天皇」の呼称に転じ、この時点で神武にまでさかのぼって「天皇」。天皇は「天の王」にして北極星を天の中心とみる世界観。中国にある「天子南面」の思想が内裏形成にも影響を与える。

 代替わりごとに営まれる「大嘗祭」。天武天皇代にさかのぼると、する。天皇の神秘性を体現する神事。他方で天皇は内裏から、国政の執務所に出て天皇は階上、臣下は地に伏す上下関係。

 不破の関は「関ヶ原」。天子は南面、阿弥陀如来は西方浄土を背に東面ということ?。
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