徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

「原発は安い」のカラクリ

2011-06-08 | 震災・原発

 これまで、「原発は火力・水力・自然エネルギー発電に比べ、きわめて安い」と、宣伝されてきた。原発の立地費や、廃棄物処理費用が、まともに経常されず、原発推進のための作り話が、当の電力会社や政府とマスコミあげての宣伝だった。

 これが、今回の原発事故で、ようやくマスメディアの一角で、風穴が少し、あいてきた。

6月11日発行の『週刊東洋経済』に、「今や経済合理性『ゼロ』 強弁と楽観で作り上げた『原発安価神話』のウソ」がそのひとつ。

 これまで、「原発は5円、水力は約12円、石油11円」と主張されてきた。原子力発電のコストは3つの要素から成り立つという。①燃料費や人件費などの「発電費用」②使用済み燃料の再加工や処理する「バックエンド費用」③「立地費用」。

ところが、この5円には、原発の立地費用が全く入っていな。しかも、「発電費用」には、原子量発電のために使われる揚水発電のコスト(夜間電力で水をくみ上げて貯水池にためるコスト)で、これは原発のために存在する費用という。この揚水に要する費用をプラスすると、発電コストは、「9円」になるという。その結果、用水を除いた水力は「4円」となり、もっとも安くなる。

 電力会社の計算

  原発は5円、水力は約12円、石油11円

 揚水費を加味すると

  原発は9円、水力は約4円、石油11円

しかも国が試算したバックエンド費用は、少なく計算されている。

 政府の計算では、18兆8800億円だが、立命館大学の大島賢一教授によると、約74兆円になる。

 

(東洋経済試算)

   

バックエンド費用

政府推計

実際に必要と思われる金額

再処理(六ヶ所村)

11兆円

47兆円

返還高レベル放射性廃棄物管理

3000億円

6000億円

返還低レベル放射性廃棄物管理

5700億円

11400億円

高レベル放射性廃棄物輸送

1900億円

3800億円

高レベル放射性廃棄物処分

25500億円

178500億円

TRU廃棄物地層処分(*1

8100億円

16200億円

使用済み燃料輸送

9200億円

18400億円

使用済み燃料中間貯蔵

10100億円

20200億円

MOX燃料加工(*2)

11900億円

11900億円

ウラン濃縮工場バックエンド

2400億円

2400億円

合計

188800億円

74兆円?

     

*1 TRUは長半減期低発熱

   

*2 MOXは、プルトニウムと二酸化ウランを結合したもの

 

 


自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。