シュメル 人類最古の文明 小林登志子著
七日と七晩の間、大洪水が国土で暴れ、
巨大な船が洪水の上を漂った後で、
ウトゥ神が昇って来て、天と地に光を放った。
ジウスドゥラは巨大な船の窓を開いた
(シュメル語版『大洪水伝説』)
メソポタミアの二つの川の中間の都市ニップルで
発見された粘度板に、この大洪水伝説が記載されていた。
物語の4分の1しか残っていないというが、世界最古4000年前のもの。
紀元前4000年にこの地にシュメル人が活躍し、前3000年期に都市文明が発展。
この文明の歴史が石や粘土板、印章に残され、王朝の記録もあるという。
楔文字の原形も文字というより、画像のようなものもある。
イラクの地のこの文明の遺産がアメリカのイラク攻撃とその後の混乱で
かなり破壊され、盗まれているのは残念。
「シュメル 人類最古の文明」 小林登志子著 中公新書
ルーブル美術館所蔵
動物と戦う英雄を描いた円筒印章(左)とその印影。
マリのイシュタル神殿で発見、紀元前2600年頃の初期王朝時代。