おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

「時間の見通し」を持つ(第16号)

2012年07月01日 | 苦手なことがある子供たち
時間の見通しを持つとは、ある時間内に自分がどれだけの作業をすることができるかが分かるかと言うことです。

例えば、出掛ける時に30分以内にどの程度の作業が出来るかが分からないと、出掛ける時間になっても着替えていなかったり持ち物の準備が出来ていなかったりで遅刻をしてしまうといったことです。

「時間の見通し」を持つことは小さなお子さんには難しいことです。
就学前のお子さんの時間感覚は前後数日だそうです。
そのような生徒さんに対して1週間後のピアノレッスンの話をしてもうまく通じないはずです。

1週間後のレッスンのために1週間前から練習を始めるには経験が必要です。
その曲が自分にとってどのくらい難しいか、1日でどの程度のことが自分に出来るか,それらが分からないとレッスンのどのくらい前から練習を始めたら良いか分からないと思います。

時間の感覚がまだはっきりと分からない生徒さんには、レッスンの始まりと終わりをはっきりと示す必要があります。
特に終わりの時間が分からないと、いつ終わるかわからない無限の長さに「帰る、帰る!」ということになりかねません。

私は自閉症の生徒のレッスンでは、毎回「こんにちはの歌」と「さようならの歌」を歌っていました。小学6年生の途中からは必要ないと思うようになりましたが、何のきっかけもなく辞めるのは良くないと思いましたので、小学校卒業までは続けました。

時間の見通しを持てずルーズになる人がいる一方、必要以上に時間に縛られる人がいます。
これも時間の見通しに関係していて、先の見通しが分からないため焦りを感じるのだそうです。

見通しの効く時間の幅は、10歳前後のある時期になると飛躍的に広がるそうです。
そのせいでしょうか。私の生徒も小学5年生になるとみな練習をしてくるようになります。
何故か言葉遣いや態度まできちんとして一人前になります。

突然、「はい」などと返事をされると聞き間違えかと思ってしまいます・・

ピアノの生徒さんとは長いお付き合いになることが多いので、子供たちの成長を見ることのできる楽しみの多い仕事です。

コメント
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