おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

気になること

2019年07月19日 | 重力奏法
急に思い出したので一言。

手首のかたい生徒さんにそれを改善するためにロシアンメソッド(重力奏法)でちょっとやってみる。
イリーナ先生の「不思議な音の国」を副教材として所々弾かせる。

これは通用しません。

これまでと変わらないという結果に終わります。

このメソッドで教えようと思ったら徹底して行うことが必要です。
ナチュラルな手でなければさらに時間と根気が必要です。
保護者の方にもご協力頂かなくてはなりません。

イリーナ先生の教本は、書かれている音と鍵盤の場所を一致させていくだけのものではありません。
どんな音質でどんな音楽を表現するかを習い始めから生徒さんに伝えていくものです。
そこには必要な音楽基礎知識もしっかり盛り込まれ、しかも小さな子供が理解しやすいよう工夫されています。

現在、残念ながらこのメソッドで使える曲集が日本にはないと言ってよい現状です。
「はじめの一歩」はその数少ない楽譜です。
しかし、第1巻をわざわざ「不思議」と併用する必要はないかと思います。
(よっぽど癖が強く、イリーナ先生の教本を繰り返し復習するだけでは足りない場合は別です)

普通の生徒さんと保護者の方は「不思議上巻」を修了するのに8~10カ月かかります。
向上心の強い生徒さんと保護者の方は4~5カ月で修了します。

普通の生徒さんを考えた場合、この期間をノンレガートで弾ける曲のレパートリーも付け加えて過ごさせたいと思うのです。
そこに苦慮せざるを得ないのが現状です。

重力奏法は重みを掛ける感覚がわからなければ始まりません。
その為にはノンレガートで徹底してそれを行わなければ出来ないというのが、私がこれまでの経験で得た結論です。

なので中途半端なレッスンはしてはいけないのです。
一音に3年かける。
このメソッドでレッスンを始めて1年半程経ちましたが、レガートに入ってもこの基礎を常に見直すことを実感しております。

石の上にも3年ですかね。
コメント
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