おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

お手本は歌

2020年10月04日 | フォルマシオン・ミュジカル
スラー一つで音楽はガラリと変わります。

と、前回に引き続きスラーの話を。

スラーは、音を繋げりゃいい、というものではありません。

ところが、ピアノという楽器は自分の息で音を鳴らさなくとも触れば音は出てしまいます。

自分で楽器を抱え、身体の一部のように奏でる弦楽器や管楽器とは異なり、楽器自体も身体から少し離れたところにあります。

無機質に弾こうと思えばいくらでもそうできてしまうのがピアノの弱点。

だから、他の楽器よりもっと呼吸を意識する必要があります。

私は歌にかなうものはないと思っています。
歌のようにピアノが演奏出来たらどんなに豊かな音楽になるか・・

しかし、ピアノは音域が広く一人で完結できる楽器です。
そして澄んだ音がやはり美しく、聴き慣れた楽器なのにピアノって綺麗な音だなと惚れ直すことしばしば。

さて、スラーで息を吸うんだ、手首から持ち上げるんだとレッスンで口を酸っぱくして言っても、だからなに?と思う生徒さんは多いと思います。

違いを聴き比べてもらっても何を目指しているかピンとこないのが現状です。

やはり実際に歌を聴いてもらわないと・・
と思いましたら、良いものを私は持っているではありませんか!

フォルマシオン・ミュジカルのテキストに歌曲やらオペラやらグレゴリオ聖歌やらがたくさん載っていることを思い出しました。

フレーズの区切りを探してもらい、息を吸っているか、フレーズ(スラー)の終わりをどう歌っているか、フレーズの始まりをどう歌っているかを聞き取ってもらえば良いではありませんか!

早速一人の生徒に試してみました。
声楽家の歌自体聴き慣れていないので、1度聴いただけで「わかった」とはなりませんが、これからチョクチョク聴いてもらおうと思います。

フレーズごとに声のニュアンスも異なりますし、ピアノには絶対にできない一つの音を伸ばしながらさらに変化させる表現。

私も勉強になります。

12の歌曲より No.5巡礼者の詩 / メンデルスゾーン


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