あの日から もう9年たつんですね。
朝、いつものように起き、顔を洗い、ご飯を食べ、いつものように日常を過ごしていた人たちが、いきなり襲ってきた大きな揺れと大きな波に飲み込まれてしまった、あの日から。
遠く離れたところにいる私ですら 忘れることのできない あの光景。
テレビのスイッチを入れたら、広々とした田んぼが一面に広がっている、そこに黒い大きな水の塊が恐ろしい勢いで広がっていきました。
あれから9年。
大きな揺れと大きな波に日常を奪われてしまった人たちは、もう一度あの頃の日々を取り戻すために、土を盛り、家を建て、防潮堤をより強固なものにしてきました。
目に見える外側は、こうして一歩一歩進んでいくことができる。
でも、目に見えない人々の内側は、きっと前へ進んでいくばかりではない日もあったのだと思います。
また、「放射能」という目に見えない脅威に日常を奪われてしまった方たちの中には、まだ 日常を営んできた場所に 帰れない方がたくさんいらっしゃいます。
昨年は 大きな揺れと大きな波にほんろうされた土地を、今度は台風の大雨が襲ったと聞きました。
ようやく日常を取り戻しつつあった人たちにとって、本当に辛い試練だったろうと思います。
岩手、宮城、福島、そして様々な被害を受けた方々。
世界に あの日の事が忘れられない人がたくさんいて、いつもみなさんのことを思っています。
来年は次の10年に進む 年。
街も そしてそこに暮らしていく人も、 みんなが「本当の意味での再建」にあたる次の10年に進んで行けるよう、9年目を大切に生きていきましょう。