ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Spy in Chancery : 余談

2008-11-02 11:53:44 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04


フランスのハンサム王フィリップ4世に興味を持って(笑)、彼のその後をちょっと調べてみました。そしたら、出るわ出るわ(^o^;)次々驚くべき事が判明。

彼が所属したのはヒュー・カペー(わっ怖そう(^^;))から300年続くカペー朝。フィリップ4世は、この当時は老練なエドワード1世を翻弄する若き頭脳派だったようですがが、1314年に46才の若さで狩猟中に脳の発作を起こして他界。彼には3人の息子、ルイフィリップシャルル(この人が1番父の美貌を受け継いだね)がいて、次々王位を引き継ぎましたが、次々早世。カペー王朝は途絶え、従兄のフィリップが後を継ぎ、ヴァロア朝に移るわけです。

まあ、3人の息子たちの行末、これだけでも衝撃的ですが、さらに超~びっくりなのは、末娘イサベラ。エドワード1世ったら、あんなにフィリップ4世嫌いだったのに、ななんとその末娘を、跡取りの嫁にしているんですね~。てことは、彼女は、そう、知る人ぞ知る、イングランド王家最悪の悪妻、イサベラ王妃なのですよ。(汗)彼女は父に似ずとろい夫エドワード2世を食い物にして、最後は愛人と計って惨殺(ひぇ~~)したという、世にもおっそろし~~王妃様です。

てことは、もちろん、後のアセルスタンシリーズに顔出しする、エドワード3世は彼女の息子(つまりはフィリップ4世の孫だ)、エドワード黒太子、ジョン・オブ・ゴーント、エドムンド・オブ・ラングレーの3兄弟は、彼女の孫なのです~。


Spy in Chancery : 2

2008-11-02 10:28:53 | Athelstan・Doherty
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イングランド王アキテーヌ公エドワード1世は,お怒りモードでございます。
彼の評議会の皆さんは,おとなしく座って耐えております。カンタベリー大司教ロバート・ウィンチェルシーはやおら「王よ,ここに反逆者がいます。下水の如く臭く汚らわしい事でございます。」

すると王はすかさず「カンタベリーの司教殿,それではあたかもフィリップ4世に知られずに屁をたれる事もできぬようじゃな。」

(あ~~~ごめんなさい,下品な言葉を。。(^^;))

王は,愛妻エレノアと,良き友ロバート・バーネルを亡くし,この頃怒りっぽくなりました。彼は信頼できる友を無くし,ウィンチェルシーも信用していません。

この場にいるのは,王の親族たち、エドワードの弟ランカスター伯エドムンド,妹婿リッチモンド伯ジョンヘレフォード伯ボフンノーフォーク伯ロジャー・ビゴッドですが,王は皆アホ(汗)で,役立たずと思っております。

そして,他にはハンサムで良き事務官ではあるけれど,生活が分相応でないと噂の,ラルフ・ウォータートンがいます。

会議が終了,王に忠実なバナレット騎士,トマス・テューバービルが,皆が去るまで待って,他に何かお申し付けはありませんかと尋ねます。テューバービルは王のお気に入りです。

ふうっ,単語と人名で,疲れましたわ。(笑)

ドハティ小説のお約束,この中に「犯人」がいるという事なのでしょうかね?

当時のイングランドを取り巻く状況は,この間の読書で,スコットランド王とフランス王女が結婚していた事からもわかりますが,フランスがイングランドの周りを固めて,イングランドを孤立させようとしています。え,当時は,ダルタニャンの出身地として有名なガスコーニュもイングランド領なのね? ここももちろん,フランスが狙ってます。

エドワードによれば,フィリップ4世(実際Philip the Fairと呼ばれたイケメン王)は金髪碧眼のブリッ子で,罪のない顔をして皆(ヨーロッパ中)を騙す(爆)のだそうです。そして,大帝国を築く魂胆なのだと。

王は,もしバーネルならどうするか,彼が生きていたら誰にその役を命じるか,考えます。すると,もちろん,彼の脳裏に浮かんだのは,

アイツです。(笑)

そして王命により,アイツはフランスに送られました。彼はまずはブーローニュシュルメールのノートルダム教会にお参りしております。何でも,今回のドーバー海峡の航海はひどかったそうで,ずっと船首でうずくまったまま,だったそう。

現在,コーベットは,国家の全ての公的文書に関わる責任者です。

で,
あれれ?

彼は現在38才? アラフィとばかり思っていたのですが,アラフォーじゃんっ。いやだわ,どこで勘違いしたのかしら?

とにかく,その時代,35才まで生きられればラッキー,だったのだそうです。でも彼はまだまだ元気だそうで,何よりです。

バーネル卿の死から既に4年の歳月が経っていました。彼の死後,なんとなく過ごしていたコーベットは,突然王に呼び出され,そこで受けた命令は,もし必要ならその場で裏切り者を殺せ!という恐ろしいものでした。

もしかすると,裏切り者は,同僚かもしれません。もう早速,誰かが潜んでいる気配を感じるコーベットでした。


Spy in Chancery : 1

2008-11-02 10:27:58 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04


サザンプトンの船乗りで,エドワード王の騎士であるジョン・イーウエルは,フランス・ガスコーニュから,情報を持って帰って来た所です。嵐ではありましたが,どうにかうまく持ちこたえています。

イーウエルは,フランス軍に包囲されている,当時イングランド領だったガスコーニュを,フランスから守る為の情報を携えていました。

しかし,彼の恐れていた事が。。フランス船が追いついてきます。フランス船は完全武装,船尾に射手が並びます。当時の習慣?海上の戦いでは,ほとんど捕虜は取りません。

フランス船はカタパルトで火の玉攻撃。イングランド船はなすすべもありません。イーウエルは,書類を守るようにして息絶え,彼の執事アップルビーは,ゆっくり死の苦しみに浸りながら,何故,フランス船は我々の動向を知っていたのだろうと,思っていました。

こちらはパリの酒場,イングランド大蔵省?財務省の事務官でエドワード1世のスパイ(最近,政府機関の事務官は皆スパイなんだな(笑)),ニコラス・ポエールがみすぼらしい身なりに変装して,汚い酒場でお食事。彼はフランス王フィリップ4世が,弟達,シャルルとルイまで動員して,イングランドに不穏な行動を企んでいるという情報を入手した所です。ガスコーニュ育ちの彼は,フランス語は完璧です。

ポエールは,その日,どうも誰かにつけられているようで不安でした。酒場に入り,追手がついて来ると思いきや,膝下を切断され腕に板を付けられた乞食のみ。しかし帰り道も,誰かが馬に乗って追いかけて来るような気がしてなりません。

交差点に来た時,また先程の乞食。無視して通り過ぎようとしたポエールを,乞食がいきなり襲います。乞食は,手枷をはずして立ち上がりました。

すると,馬に乗った男が現れます。彼は「乞食」に,ポエールを袋詰めにしてセーヌ川に捨てるよう命じます。「せめてのどをかき切るお情けを。」と乞食が言うと「それはお前が何かをやり損じた時にな。こいつはスパイだ,そんな情けはいらん。言われた通りにしろ。」

やっぱし,アセルスタンシリーズと違い,スパイ小説ですね。


Run!Run!Run!