ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

A Thousand Splendid Suns : 感想

2009-07-05 14:21:16 | BookClub
A Thousand Splendid SunsA Thousand Splendid Suns
価格:¥ 1,436(税込)
発売日:2008-11-25


ネタバレ注意です。
Babi Hakimの名セリフ集に、1つ、よりによって超重要なやつを忘れていました。

You can be anything you want, Laila. I know this about you. And I also know that when this war is over, Afghanistan is going to need you.

そう、Lailaが9才だった時、当時タリバンほどではないにしても、女性の教育はまだまだ軽視されていました。でも、BabiがあえてLailaにいろいろな事を教えた理由は、これだったのです。

しかしまだまだ時間がかかりそうです。ラストは2003年ですが、既に世界はもうアフガニスタンを忘れ、タリバンは密かに復活をもくろんでいます。Zalmaiは、おそらく将来父の真実を知ってしまうでしょう。ハッピーエンドではないかもしれません。

この本、ある意味、To Kill a Mockingbird(アラバマ物語)と似ていると思いました。正しいと思う事はすぐに実現されるわけではなく、いつも正義が勝つわけでもなく、せっかく助けに来ても遅すぎたり、人にも運命にも何にも逆らう事もできず、ただ身を任せるしかない事だってあります。

でも、Lailaの心には、Mariamが千の太陽となって、いつまでも輝いています。

さて、
One could not count the moons that shimmer on her roofs
And the thousand splendid suns that hide behind her walls


「彼女の中の千の輝く太陽」って何の事だったのか、最後にもう1度チェックしてみましょう。

元々は
彼女=17世紀のカブール
太陽=美しい家並みや各家の調度品
でした。

Mujahideenの攻撃に耐えかねて避難しようとしていたBabiにとっては
彼女=20世紀のカブール
太陽=各家庭の宝物(Babiにとっては蔵書など)

あるいは
彼女=Fariba
太陽=AhmadとNoor

あるいは当時のLailaにとっては
彼女=Laila
太陽=Tariq
だったのかな。

生きる為にRasheedの第2夫人となったLailaはやがて
彼女=Mariam
太陽=Azizaへの思いやり、甲斐甲斐しく働く姿
を見ます。

タリバン統治下、LailaがZalmaiを産もうとしている時Mariamは
彼女=女医(もしくは当時の数少ない女性)
太陽=仕事に就ける事への誇り
を見ますね。

パキスタンに避難したLailaは、
彼女=現在のカブール
太陽=そこで暮らす人々、育った思い出などなど
である事に気付きます。

Mariamの生家を訪ねたLailaは、改めて
彼女=Mariam
太陽=彼女が育った小屋、Faizullah師、Jalil
を見ます。

そして
彼女=Laila
太陽=Mariam

Final Answer
彼女=アフガンの女性達
太陽=彼女達の心

作者のHosseiniさん伏線を使うのが大変お好きですが、特にThe Kite Runnerを読んでいると、中盤で上の詩が出てきた時点で、その後の話がほぼ推測できてしまいました。もっとも、続きが気になり、ついつい読んでしまいます。とはいえ、やっぱり、3作目からは、ちょっと違う話にしましょうねHosseiniさん。(笑)

P.S.ところで、Jalilの手紙に涙する人も少なくないようですが、それをなななんじゃい!このダメオヤジ!(笑)と切って捨てた輩にも、放水ポイント(爆)がありました。最後の最後の一文です。ネタバレに弱い人は、ここは、クリップで止めて、最後まで見ないようにしましょう。(笑)


A Thousand Splendid Suns : 40-51

2009-07-05 13:08:54 | BookClub
A Thousand Splendid SunsA Thousand Splendid Suns
価格:¥ 1,436(税込)
発売日:2008-11-25


この先、クライマックスとなるので、話の筋にはあまり触れない事にします。(^^;)
とはいえ、主な出来事をちらっとだけ書いておきましょう。。(ネタバレ注意)

Lailaは、Rsheedとの息子Zalmaiを無事に産みます。The Kite Runnerの時は、ドラコ・マルフォイのような奴が出てきましたが、Zalmaiはダドリーかいな(笑)?と思うようなかわいがられっぷり。しかし、近所の出火で商売を続ける事が不可能になり、Rasheedは仕方なく働きに出ます。が、元々気が荒く怠け者のRasheedは、なかなか職に恵まれません。Mariamは決意して、父Jalilにに無心する事にしましたが、Jalilはとうに亡くなっていた事が判明、Rasheedは、「役立たず」と罵ります。(おいっ、普通嫁さんのお父さんが亡くなったら、"I'm sorry."だろっ(怒))

ところでここでちょっと英語の勉強。(^^)この時Rasheedが発したセリフ
Like daughter, like father.

ネイティブのイギリス人に聞いたのですが、"Like mother, like daughter."(この母にしてこの娘あり)が通常の使い方。それ以外の組み合わせは、ネガティブな意味を持っている事が多い(○○が○○なら、××も××)そうです。(ま、正式な使い方でもネガティブな事はあるだろうけど(笑))思い浮かぶのは、スネイプ教授がハリー・ポッターに言うセリフ、"Like father, like son."なるほどねぇ~(笑)

で、…どうにも家族を養う事ができないRasheed一家、ついにAzizaを孤児院へ。でも、ここで一縷の望みが現れます。孤児院のオーナーZamanは良心的な人物で、女の子に勉強を教えてくれます。

しかし、ついに大事件。。(滝汗)

いろいろありましたが、まとめると(^o^;)(本読んでないとわかんないでしょ~でもネタバレなんでごめんね~(爆))、LailaはTariqと一緒にパキスタンに避難。全て終わった2002年、LailaとTariqは、アフガニスタンに戻る事を決意。途中、Lailaは、Mariamの育った小屋を訪ね、父JalilからFaizullah師、その息子へと託された遺言を受け取ります。翌年、Tariqはフランス系NGOで、LailaはZamanの孤児院で教師の職を得て新しい人生のスタートを切ってました。


Run!Run!Run!