The Joy Luck Club 価格:¥ 1,639(税込) 発売日:2006-09-21 |
Joy Luck Clubに参加すべく、周さんの家に行くと父が既に来ている。
実はJing-Meiは遅刻の名人だったようで(笑)
しかしJing-Meiはとても緊張していた。一体、自分は母の代わりになれるのかと。
仕草など母と似ている所はあるが、生前母にそれを言うと一蹴。「知らないくせに」
父はJongさん一家の中国旅行の写真を眺めている。が、うわの空。実は彼は無関心。でも、違いがわからないから皆同じって、中国語で何て言うの?父は母が亡くなってそういう事で困っている様子。
周さんの家は、いつも狭いキッチンで炒め物しているので、ちょっと油臭い。母はそういう油臭い家やレストランに入ると、決まって「鼻がくっついちゃうわ」とわざと大声で言っていた。
周家は昔子供の頃見たそのまま。25年前、チャイナタウンからサンセット地区にAn-meiおばさんとジョージおじさんが移ってきたが、ソファもかえでの机もランプも当時のまま。カレンダーだけが毎年代わってる。
Jing-Meiが覚えていたのは、昔JLCのゲストとして来ていて、年下の子供達の面倒を見なくてはならなかった事。Jing-Meiはお姉さんだったので、もし何かこぼれたり、壊れたりしたら、誰がやったのであろうと全部自分の責任。
当時、母やおばさん達はチャイナドレスに身を包んでいたが、幼いJing-Meiの目には「変な服」JLCも、中国の変な習慣かと思っていた。
今回のJLCは、皆普通の服。まずは会計報告から。
前回はSuyuan(Jing-meiの母)が亡くなったためキャンセル、という話題になったので、母の話が始まると思いきや、皆頷いたのみ。ちょっと心配になる。その後も、皆株(カナダの金)に夢中で一向に麻雀を始める気配なし。
An-meiおばさん、ワンタンを包み始める。
ところで何故、株なのか。。An-meiおばさんによれば、賭け麻雀をすればいつも勝負は決まっているので、株にしたとの事。
you can't have luck when someone else has skill.
中国の諺っぽい
でも今では株のおかげ?で勝ち負けは平等。と、ワンタン作りながら話すおばさん。
おばさんはワンタンを殆ど無意識のうちに作れるのはいいけれど、頭を使わない、と、母が文句を言っていた。領事館に行って、弟のために登録用紙を取って来るようアドバイスしたけど、それを聞いた誰かに、弟は中国で困った事になるとか、あなたはFBIに捕まるとかある事ない事言われて大慌て。
改めてAn-meiおばさんを見ながら、うちのお母さんは、なんでこう人の悪口ばっかり言ってたのかしら?と思うJing-mei
母は、人はみな「5つの要素」から成っていると言っていた。火の要素が強すぎると、癇癪持ちだと。Jing-meiも言われたけれど、父もそう。いつも煙草を吸い、母を怒鳴っていたから、母は心のうちを話す事ができなかった。父はこれを後悔している。
木の要素が足りないと、簡単に人の意見に左右される。これはAn-meiおばさんの事。水の要素が多すぎると、いろいろな事に流され、何をやっても飽きっぽいとか。(Jing-meiの事)
批判好き、迷信好きな母に対して、Jing-meiは、批判は良くない、何も期待してないじゃないと論理的に諭したが、それは期待させるような事をしてないからよと言い込められる始末。
An-meiおばさんのワンタン出来上がり。クレメント通りの醤油付きの五目焼きそばをあさる父。ワンタンはパクチーを散らしたスープで良い香り。豚肉のテンメンジャン炒め、
thin-skinned pastries filled with chopped pork, beef, etc
とは、生春巻?
食事は、Jing-meiがかつて母から聞かされ想像していた桂林版のJLCのお上品さとは全然違い、皆ガツガツ食う。
食事が終わるとめいめいで皿をシンクに運んで(皿ではなく)手を洗う。それは何の儀式だ?なJing-mei、ですが、大人しく彼女も従う。そしていよいよ麻雀。Jing-meiは、誰にも教えてもらわなくても、母が座っていた場所がわかっている。それは東。いつも母は「東は全てが始まる所、日が昇る所、風が吹いてくる所」と言っていた。
An-meiおばさんがパイを混ぜると、向かいからLinおばさんが「お母さんのように強いの?」「いえ、学生時代にユダヤ人の友達とちょっとやっただけです」「ユダヤ人と!?それ麻雀と違うわよ!」
かつて母に、ユダヤ人の麻雀はどこが違うのか、聞いたことがあるが、母の答えは英語で「全然違うわよ。彼らは自分のパイしか見てない。自分の目でしか見てない」そして中国語で「中国の麻雀は頭を使うの。他の人が何を捨てるかよく見るの。ゲームがうまくいってない時はユダヤ麻雀と一緒だわ。あなたは他の誰かがミスするのを見てるのよ」しかし2つの言語を使っての説明ではどうもピンと来ない
Linおばさんにも違いを尋ねてみる。すると「アイヤ~!お母さんから何も聞いてないのか?」Yingおばさんがやさしく手を叩いて、「あんたはおりこうさんだ、私達を良くみていればいい。まずはパイを並べて4つ壁を作るのを手伝っておくれ。」
…という事でゲーム開始。
(ここからペース上げます)
Linおばさんは手が速い。まずはLinおばさんが(日本式に)親。
An-meiおばさん「あんたのお母さん、うまかったよ。プロみたいだよ。」
ゲームをしながら適当な雑談が始まる。Linおばさん「ポン!」といい「マージャン!」(日本式ではロンですね)で上がり。(ちなみに、中国麻雀には、リーチがないそうです)
いろいろな雑談が交わされた後、そろそろおいとましなきゃ、と、Jing-meiが立ち去ろうとすると、JLCのおばさん達は、お母さんの事であなたに伝えたい事がある、と、彼女を止める。話はとても切り出しにくいようだったが、ようやくYinおばさんが口を開く。
「あんたのお母さんは強い人だった。自分よりあんたを愛してたよ。だから理解してね。お母さんには別に2人の娘が中国にいるのよ。生きているうちに会いたがってたわ」
Jing-meiは桂林の双子の赤ん坊を思い出す。
道ばたで泣いていた彼女達を誰かが連れ去ったのだ。
「お母さんは何年も捜して、手紙をやり取りして、ようやく去年住所がわかったの。お父さんに言おうとしていた所だったのよ。ひどい話よ、生涯待ち続けたのね」
そしてAn-meiおばさんから渡された紙には、青いインクで漢字できちんと書かれている。少しにじんでいるのは涙? 姉はちゃんと中国語理解できるのね、と、思うJing-mei。
気が付くと、おばさん達はまるで奇跡のようににこにこしている。
さらに$1,200入りのJune(Jung-meiのアメリカ名) woo宛の封筒。
「姉達が送ってくれたの?」
「いえいえ!違うわよ!私達はずっとお金を貯めていたのよ。あんたのお母さんが1番強いから、ほとんどは彼女のお金ね。これで香港へ行って上海行きの列車に乗って、お姉さん達に会いに行きなさい!」
「お姉さん達に会う…」
「そしてあんたのお母さんの事を話すのよ」
「何言おうかしら?何も知らないんですよ」
するとおばさん達はびっくり。
「お母さんを知らない?あんたの骨なのに!」
「家族について話しなさい。どう成功したとか。」
「お母さんから聞いた事を話しなさい。お母さんから聞いて、心に入った事。」
「親切だった事」
「頭が良かった事」
すると突然、おばさん達は気づく。
自分達の娘も、自分達の事を知らないのではないか?
アメリカに持ってきた真実や希望も伝わってないのか?
中国語が完全には理解されず、英語ヘタクソと思われていたのではないか?
Joy Luckは正しい英語ではない、英語で育った娘達には伝わっているのか?
孫ができたらもう気持ちが伝わらないのではないか?
「全て話します。お母さんの事で思い出せる事」
おばさん達は、最初疑うような顔をしていたが、やがてにっこり。心配だが、やがて伝わってくれる事を願いつつ。
皆食事に戻り、また世間話を始める。
Jing-meiも、母の座っていた場所、東、すなわち、全ての始まりの位置に、座る。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます