明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

元夫の命日

2015-11-05 | ひとりごと

今日は元夫の命日。

2年前の今日、元夫は病気がわかってからわずか12日で
あっけなく亡くなってしまった。

その前月に離婚調停が成立したばかりで、
離婚後の手続きもまだすべて済んではいない状態だった。

余命1カ月あるかないか…との医者の言葉に驚き、
頭が真っ白になったものの、その後の私の行動は冷静だ。

当時の手帳を見てみると、
手続きのために横浜の年金事務所、大阪の市役所、夫の実家のある市役所、
パスポートセンター、金融機関、病院…
毎日のように新幹線で移動、動き回っている。

当時の私にとって一番大事なのは
元夫の病状云々ではなく、離婚後の生活、だった。
ちゃんとひとりで生きていけるように、
やっておかなければいけない手続きを元夫の存命中にちゃんとやり終えること。
それがまず一番に頭にあった。

離婚を決意するまで、調停に持ち込むまで、成立するまで…
ひとつひとつの段階を踏むごとに気持ちの整理をつけていったから、
余命1ヶ月の衝撃も意外と少なかったのだろうが…
それにしても、ずいぶん冷たい人間だ、と我ながら思う^^;


子どもたちには手続きがすべて済んだら知らせようと思い、
調停が成立したことをまだ知らせていなかった。
両親の離婚と父親の死病、
彼らの受けたふたつの衝撃はかなりのものだっただろう。




私の中ではたくさんの「?」「!」が渦巻いていた。
聞きたいこともいっぱいあったし、言いたいこともいっぱいあった。
子どもたちはもっとだったろう。
私たち親に腹を立ててもいただろう。

でも、私も子どもたちも何も言わず聞かず、元夫も何も言わず聞かず、
そのまま元夫は逝ってしまった。

いまだに宙に浮いた思いがあるけれど、
あの時、口を開いていたらきっと死者に鞭打つようなことを言い、
今よりもっともっと後悔しただろう。

なんでもっと優しい言葉をかけられなかったか。
生きていてくれれば、今なら笑って
腹を割った話が出来た気もする。


通夜、棺の前で子どもたちと3人で寝たのが
私の家族の最後の団欒(?)になった。

あれから2年、まだ2年…。

今さらもうどうしようもないのに
毎年こうやって思い出してはああでもないこうでもないと
自分の心の内を探っては
思い悩むのだろう、おそらく死ぬまで…。