◎午前3時から午前12時45分までのカリキュラム
以下はアメリカのクリヤー・ヨーガ・センターの修行メニュー。クリヤー・ヨーガとは、クンダリーニ・ヨーガを中心としたハタ・ヨーガ、呼吸法、マントラ・ヨーガなどの総合的な冥想体系であり、ここにその典型を見ることができる。狭義のクンダリーニ・ヨーガばかりやっているわけではない。それは、小乗仏教でもヴィパッサナー冥想だけしているわけでもなく、曹洞宗永平寺で只管打坐だけやっているわけではないのと同じ。
健康と身体の血行、柔軟性の維持、精神の平静の保持など、肉体と精神の精妙な調整が企図されたカリキュラムになっている。この日課はいわゆる合宿的、修道院的、専門道場的なメニューであって、日常生活をやっていてはできない日課になっている。
こうした場の設定には、資金と人間が必要ではある。組織宗教はこうした環境の整備には優れているが、指導者に恵まれることが成否の鍵だろうと思う。
OSHOバグワンのコミューンではこんな風でもなかった。もっと信者任せだったようだ。
環境が整えば覚者は出やすいと見えるのだろうが、イエスのグループなど見ても環境が整わなくとも、真正のリーダー、マスター、グルがいれば覚者は出るものである。グルなしでクンダリーニ・ヨーガは難しい。働きながらクンダリーニ・ヨーガの修行はできない。
『
1.食事:菜食とする。甘味、酸味、塩味、辛味、渋味の5種の味を含む食事を毎食とる。
2.断食:毎週1日は流動食だけの「断食」をする。この断食を終えるときには、季節の果物をとるか、隔週ごとに塩分を含まない食事をとる。
3.沈黙:週に1日、できれば週末に、最低24時間を無言で過ごす。
4.家庭生活:クリヤー・ヨーガを生活の基盤とするパートナーがいない場合、またはそうしたパートナーが見つかるまでの間は禁欲生活を守る。
5.サーダナ:1日平均8時間はヨーガを実践する。その際、次の5分野の行法を実践する。
(1) ヨーガのポーズ(アーサナ)
(2) 呼吸法
(3) 瞑想法
(4) マントラ・ヨーガ
(5)バクティ(最も心を引きつけられる神の側面を表す献身的な活動)を行う
ヨーガの行法を以下の日限にしたがって実践する。
・午前3 時~6 時:アーサナ、呼吸法、瞑想法。
・正午~午後1時:瞑想法とマントラ・ヨーガ。
・午後3時~4時:瞑想法。
・午後6 時~8 時:5 種の行法のすべて
・午後11時45分~午前12時45分:瞑想法とマントラ・ヨーガ
仕事の都合でこれら行法の一部が実践できない場合は、同じ日の時間に必ず時間をとって実践する。』
(ババジと18人のシッダ―クリヤー・ヨーガの伝統と自己覚醒への道/マーシャル ゴーヴィンダン/P282-283から引用)