下の画像の花をご覧になったことがありますか? 地中海沿岸、トルコ、熱帯アフリカが原産地の「アカンサス」です。
私の散歩コースである熊取・長池公園に咲いていましたのでご紹介します。
「アカンサス」はキツネノマゴ科ハアザミ属の多年草です。
現在よく栽培されているものは地中海沿岸が原産地のA・モリス(和名:ハアザミ)で、葉の長さは50~60cm、花茎は100㎝~200㎝にもなり、唇形の花を花茎の下部から上部にかけて順に多数咲かせます。
・この画像の花茎は170㎝くらいありました。下部に咲いた花は萎れたり散ったりしていて種子がつき始めていました。
アカンサスのアザミに似た大きな葉は、成長力の強さや形の美しさから古代ギリシャの建築や彫刻、壁画のモチーフとされています。
特にギリシャ建築のコリント式オーダーはアカンサスを意匠化した柱頭を特色としています。
・これがギリシャ建築の柱頭に彫刻されているアカンサス模様です。(ウィキペディアより)
アカンサスが芸術作品に用いられる由来については次のような伝説があるそうです。
・古代ギリシャ建築「コリント式」由来の伝説
「昔、コリントスで少女が亡くなりました。その死を哀れんだ乳母は少女が大切にしていた玩具をバスケットに入れて墓に供えました。
春になって、そこを通りがかったカリコスマという彫刻家が、墓の上に見事に伸びた若葉がバスケットの縁に美しいデザインで絡みついているのを見つけました。
彼はここからヒントを得て、柱頭をアカンサスの葉で飾るコリント形式を思いつき、石に彫って永遠の芸術にしたというものです。」
アカンサスは古代ギリシャでは聖なる植物とされ、東洋のハスと同様に昔からおめでたい植物とされていたようです。
・アカンサスの葉です。
葉には深い切れ込みがあり、光沢があって根元から叢生(そうせい:群がって生える)します。大きいものでは長さが1mほどにもなり、葉の先にはトゲがあります。
・アカンサスの花はギリシャの国花になっています。
花が終わると種子が出来ますが、この種子では発芽が難しく、増やす方法は株分けによるようです。
アカンサスの名前はギリシャ語の「とげ」に由来していると言われています。これは苞葉(ほうよう)の部分にトゲがあるところから来ています。
このトゲについてギリシャ神話では次のような伝説があるそうです。
・アカンサスの名前の伝説
「美しい娘アカンサスを太陽の神アポロンが見初め、求婚しましたが拒否されます。
それでも近づいてくるアポロンを爪で引っかいたので、アポロンは彼女を爪のようなトゲのあるアカンサスに変えてしまったと言うものです。」
・トゲがある苞葉(ほうよう:花の基部につく小さな葉)です。
「花言葉」 美術、芸術、技巧