今日は私のニンニク栽培についてご紹介します。
ニンニク(大蒜:オオヒル)は、ネギ科(ユリ科)の多年草で、古くから世界各地で栽培されているそうです。
紀元前3200年頃には既に古代エジプトなどで栽培・利用されていたと言われています。
原産地は中央アジアではないかと推定されており、紀元前140年頃中国に伝わり、日本には中国を経て8世紀頃に渡来したと見られています。
日本では禅宗で、強壮作用が煩悩(淫欲)を増長するとされて仏教の僧侶の間ではニラ、ネギなどと共に五辛の一つとして食が禁じられました。
なお、五辛とは、臭みのある5種類の蔬菜(そさい:野菜のこと)で、仏家では、ニンニク、らっきょう、ねぎ、ひる、にらの各野菜を言います。
・収穫したニンニクです。このニンニクは今年秋に植付ける種球根(鱗形)に使用する予定です。
ニンニクは、日本では「野蒜(のびる)」など根茎を食用とするユリ科の植物を総称して「蒜(ひる)」と呼んでいましたが、特に「野蒜(のびる)」と区別する場合は「大蒜(おおびる)」と称したようです。
この漢字表記の「蒜(ひる)」または「大蒜(おおひる)」は漢語からと言われており、ニンニクの語源は、困難を耐え忍ぶと言う意味の仏教用語の「忍辱(にんにく)」からとされています。
・ニンニクの蕾です。
ニンニクの球根(鱗形)は大きく、数個の小鱗形に分かれ、茎の高さは50~60cmくらいまでになり、葉は広線形をしています。
球根(鱗形)は香辛料として利用され、肉や魚の臭みを消し、香味を添えるのに用いられ、強壮薬としても利用されます。
1709年頃に創刊された貝原益軒著の「大和本草(やまとほんぞう:和漢の本草1362種を収録)」では、悪臭甚だしくとも効能が多いので人家に欠くべからざるものとして評価されているそうです。
・収穫したニンニクと茎です。
茎の先に付いている丸いものは蕾ですが、この蕾をつけていると栄養がこちらにいくので、5月始めには茎と共に取り除きます。
取り除いた蕾の下の茎は「ニンニクの芽」として食べることができます。
「栄養」
ニンニクの主な栄養素は、アリシン、スコルジニン、ビタミンB1、ビタミンC、カリウム、鉄、たんぱく質、糖質などが含まれているようです。
「効能」
・ニンニクの強い臭いのもととなる成分のアリシンは、強力な殺菌作用をもっています。
このアリシンは、チフス菌を始め大腸菌・コレラ菌など様々な細菌に対する抗菌作用のほかに寄生虫の駆除や食中毒予防・血液循環促進・保温作用などが認め
られているようです。
・スコルジニンは、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、血液がさらさらになり、血圧を下げる効果があると言われています。
更に、スコルジニンは栄養を完全燃焼させるので、食べたものを効率よく代謝し、肥満防止に効果的と言われています。
・ニンニクには、細胞を若返らせ、体力の増強、肝機能の回復促進作用、精力増進、増血作用、ビタミン類の体内留保などの効果があるそうです。
このようにニンニクには動脈硬化、血栓、高血圧、ガン、冷え性などの予防効果があることから、ニンニクは新陳代謝を促進するスタミナ野菜と言われています。
「私の栽培方法」
1.土作りは堆肥と石灰をよく混ぜて幅60cmの畝を作ります。
2.市販の種球根2個を購入し、そのまま丸ごと仮植して芽出しします。
3.芽が出たら種球根(鱗形)をばらし、株間20cmで2条に植えつけました。
4.春先には茎の先端に蕾ができるので、この蕾や茎は球根を大きくするために取り除きます。
5.取り除いた蕾の下の茎は「ニンニクの芽」として料理に利用できます。
6.6月中旬になって下の葉が半分~2/3くらい枯れてきたら収穫します。