さて、今日は夏を代表する果物(注)の一つであるスイカについてご紹介します。
スイカ(西瓜)はウリ科の蔓性一年草です。
原産地は熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯で、日本への渡来は定かではないようですが室町時代以降ではないかといわれています。
中国へは10世紀頃に西の国「ウイグル」から伝わり、西の国から伝わった瓜の意味で「西瓜」と称したようです。
日本語のスイカの名称は、この漢語の「西瓜(シーグァ)」の発音が日本語に訛り変化したものと言われています。
また、英語ではスイカのことをウォーターメロン(water melon)といい、水分の多い瓜という意味で、江戸時代には「水瓜」とも書かれたそうです。
現在でも広辞苑で「すいか」を調べると漢字で「西瓜・水瓜」と書かれています。
さて、我が家のスイカ栽培についてご紹介しますと、昨年は10㎏超の大玉スイカが4~5個収穫できたほか、6kg程度のスイカも5~6個収穫できました。
しかし、収穫時期に田んぼの水がスイカの畝に入り、早々に茎が枯れると言う事態が発生し、いわゆる二番生りのスイカが全く収穫できませんでした。
今年は、水田の畦に使う高さ30㎝の塩化ビニールのフィルムを畝の周りに張り、防水対策を行いました。
・塩化ビニールのフィルムを張り、防水対策を行ったスイカの畝です。
畝には定植の1ヶ月くらい前に米ぬかや油粕、配合肥料などを早めに施肥し畝を作り、その畝に4月下旬5本の苗を定植しました。
現在、苗は順調に育ち、花が咲き、雄花の花粉をこの雌花に受粉して幼果が肥大化しているところです。
授粉が成功しない雌花の幼果が止まらず落果します。
・開花した雌花です。花の下に幼果があります。
これは雄花です。雄しべと上の画像の雌しべの形が違っているのが分かると思います。勿論、花の下には幼果はついていません。
・これは雄花です。
・受粉が成功した雌花は、3~4日でこの位になります。
更に受粉から1週間から10日経過するとこのくらいに肥大します。この後は日々大きく生長していきます。
・受粉から10日ほど経過したスイカです。
昨年はアライグマ対策として上部を防鳥網で覆ったところ上部の網を破って入られたので、今年はこのように畝全体を防獣網で囲いました。
・アライグマ対策はこの方法が万全だと思っています。
ところでスイカは果物でしょうか?それとも野菜でしょうか?
農林水産省における野菜と果物の分類について調べました。
「野菜と果物の区分」
農林水産省の分類では次のように定義しています。
・「野菜」とは、食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま利用されるものをいいます。
・「果実」は統計上果樹として分類しており、永年作物などの木本類を言います。
簡単に言えば、
「野菜」とは、種を蒔いた後1年で花を咲かせ、その後枯れる1年草本類を言い、
「果実」とは、木や蔓のまま何年も成長する多年生の木本類の果実を言います。
この分類に従えば、メロン、スイカ、イチゴは野菜となりますが、農水省では果実的野菜としています。
日本ではこのようになっていますが、外国では果物に分類しているところもあるようです。