らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

阿漕(あこぎ)

2013-09-01 | 雑学

映画やドラマで「阿漕(あこぎ)な真似は止めろよ」などのセリフを聞くことがありますが、今日はこの阿漕(あこぎ)と言う言葉について調べました。

この言葉は、強欲でやり方があくどいさまや、際限なくむさぼることを言うものですが、その由来は、三重県津市東部一帯の海岸「阿漕ヶ浦(あこぎがうら)」に纏わる伝説や歌だそうです。

阿漕ヶ浦(あこぎがうら)は古くは伊勢神宮に供える魚をとるための御領で禁漁区だったそうですが、阿漕の平次と呼ばれる漁師がたびたび密漁をして捕らえられたという伝説から、同じ行為を繰り返すことを表す言葉となり、転じて際限なくどこまでもむさぼるという意味で用いられるようになったそうです。

この伝説からは様々な話が創作されて『阿漕ヶ浦(あこぎがうら)』の名前が世間に広まり、室町時代の源平盛衰記では「あこぎ」を「たび重なること」の比喩として使い、近世以降には「しつこいさま」の意味で使われるようになったそうです。

なお、一般に広がったのは「古今和歌六帖」の中にある和歌によると言われています。

 「逢ふ事を 阿漕の島に ひく網の たび重ならば 人も知りなむ」  『古今和歌六帖』

日向の国から、伊勢神宮参詣を志した旅人が、伊勢の阿漕にやってきて漁翁にこの地名の謂れを尋ねます。
神饌の為の漁場であったが阿漕の平次という孝行な男が、病気の母に食べさせるために、密漁をして露見し、その罪により海に沈められことを語り、自分はその阿漕の幽霊であるといって、弔いを求め、俄に騒ぐ波間に消え失せます。
旅人が、経を読んで弔っていると阿漕の幽霊が現れ、網で漁をする有様を再現し、地獄で受けている責め苦を見せて、その罪を助け給えと頼んで再び波の底に消えて行きます。
地名の謂れの話として、このように語られているそうです。