先日、関西の某民放に出演していた有名な評論家でコメンテーターのM氏が「昔は弁当を使う」という表現があったと語っていました。
「弁当を使う?」初めて聞く表現なので調べてみました。
「弁当を使う(遣う)」という表現は小説や落語などで見聞きすることはありますが、現実には聞いたことがありません。
しかし、古くには使われていた表現なのだそうです。
「使う」の意味は、広辞苑によれば「それによって用を足すための動作をする」とあり、例として、「弁当を使う」「湯を使う」などが載っています。
「○○を使う」とは、「○○を使って、××する」の「××する」を言わずに、遠回しに言う表現なのだそうです。
なぜ「××する」と言わないかというと、そのものズバリの言葉を使うのをはばかっていると考えられているそうです。
「弁当を使う」は、「弁当を使ってご飯を食べます」ということのようですが、この言葉の後半が省略されて「弁当を使う」と言う言葉が生まれたのだそうで、
これは「人前で食べる」という行為が下品と考えられたことからのようです。
後に、この言い方が定着して、そのような行為が下品とは思われなくなっても、言葉だけは生き残って慣用句と呼ばれるようになるようです。
他にも「手水(ちょうず)を使う」や「産湯を使う」等があります。
それにしても評論家の方は難しい表現をよく知っているものです。